天田財団_助成研究成果報告書2024
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密(g/cm3)熱伝導率(W/m·K)比(J/kg·K)電気伝導率(S/m)比透磁率度熱Ti-6Al-4V4.44.5121.97.55245852.38×1061.05.98×1051.0SUS304C2767.938.8916.011.05024271.37×1061.020.77×1061.03.研究成果から4.8倍の電流が流れており電流を増幅することができた.そのため本実験では銅板を用いて,接合に用いる金属板上にCFRPを置いて,その上をダイで固定した.金属とCFRPの接合表面は、SiC耐水研磨紙(#100)あるいはアルミナ粒子(約100μm)を用いてブラスト処理を行った.図2電磁成形装置の電源回路図図3平板型スパイラルコイル図4平板スパイラルコイルを用いた電磁成形による接2・2試料本研究で用いた金属は純チタン(第2種),チタン合金(Ti-6Al-4V),ステンレス鋼(SUS304),ニッケル合金(C276),高張力高(HT590)を用いた.厚さ1mmの板材を20×70mmに加工した.CFRPとして1~6mm長程度の炭素繊維が20%混入したポリアミド6(PA6)を母材とする射出成形材を用いた.厚さが約3.0mmの板材を20×70mmに加工し,接合実験に用いた.電気抵抗は直流4端子法により調べ,室温において純チタンは0.5µΩm,チタン合金は1.7μΩm,SUS304は0.7µΩm,C276は1.3µΩmとなった.電磁成形によってシングルラップ状に接合した試験片合法の概略図を用いて引張試験を行った.試験後の破面の面積を測定し,破断荷重を面積で除して引張せん断強度を算出した.引張速度は0.2mm/minとし,破壊に至るまで荷重と変位を測定した.2・3有限要素解析電磁成形による接合加工は瞬時に加工が行われるため測定が難しい.そこで有限要素法(FEM)による数値解析を行った.解析に用いたのは汎用FEMソフトウェアFemtet(ムラタソフトウェア製)を用いた.解析に用いた材料パラメータを表1に示す.解析手法には過度応答解析を用いた.解析モデルには四面体一次要素を使用し,メッシュサイズは、コイルが2.0mm,銅板コイルは1.0mm,金属板は0.5mm,CFRPは0.5mmとした.コイルの電気伝導率は5.977×107S/mを用いた.解析に用いた印可電流について,回路上に直接電流計を設置することはショートの危険性があるため,コイルのみの状態で電圧を印加し,発生する磁場によって生じる誘導起電力から印可電流を同定した.3・1有限要素法(FEM)を用いた電磁場と熱伝導の連成解析図4に示した実験モデルの数値計算を行い,接合面での温度とローレンツ力を解析した.接合面の温度は測定した印可電流の1パルスあたりの終了時間である184μsを,ローレンツ力はその電流値が最大となる92μsで評価を行った.最初に,電磁成形によって発生する接合界面の温度を解析した.一例として図5にはTi-CFRP接合材の充電圧4~7kVのときの金属面の温度コンター図を示す.この結果から充電圧が大きくなるに従って接合面の温度が上昇している.また,温度分布には偏りが見られ,充電圧が大きくなるにつれて,その偏りも大きくなる.この傾向は他の金属も同様な結果となった.次に,数値解析により算出した接合面の温度について,融解温度が占める領域の割合を温度分布のヒストグラムにまとめた.一例として,図6にはTi-CFRP接合材の充電圧4~7kVのときの結果を示表1解析に用いた材料パラメータチタン− 121 −

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