天田財団_助成研究成果報告書2024
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×■■■図8ピーン成形の有限要素モデル12)図9有限要素モデル入力した塑性ひずみ分布の例12)図10典型的な変形モード(z方向変位コンター図)11)図7#30ショットを用いた場合の残留応力分布の計測niarts citsal0P]aPM[ sserts laudiseR×■■■0.00.20.40.6Depth from surface [mm]5.ピーン成形の変形制御■■ 予測手法の検証6)(1)と(3)~(12)式を用いて残留応力の予測手法を検証するため,実験結果と計算結果の比較を行った.予測式の決定に用いていないショット径が0.51mmの#30ジルコンショットを用いた結果を図7に示す.実験結果と予測結果は一致しており,予測手法の妥当性を示せた.固有ひずみ分布は板厚の影響を受けないため,本手法は板厚が異なる場合の残留応力分布の予測ができることを確認しており,残留応力分布に及ぼす板厚の影響を計算できることが利点である6, 7).また,アルミニウム合金だけでなく,鉄鋼材料にも適用可能であることも確認している6, 7).さらに,実験で求めた残留応力分布ではなく,有限要素法で求めた残留応力分布を用いる方法も検討し,有効性を確認した7).結果と予測計算結果6)ピーン成形において,Kulkarni ら板の形状により,同じピーニング条件でも球面形状から円筒形状に変形モードが変化することを実験で示した8).Faucheuxらは数値シミュレーションで板形状により,変形モードが変化することを示した9).しかし,変形モードの変化するメカニズムと変形モードが変化する条件は明確になっていない.本研究ではアルミニウム合金板の形状を変えて,ピーン成形後の形状に及ぼす試験片形状の影響を有限要素法と実験で検討した■■■有限要素モデル■■~■ ■有限要素法(FEM)コードはMarcを使用した.材料はアルミニウム合金A5052-H34であり,ヤング率70 GPa,ポアソン比0.3,質量密度2.7×10-6kg/mm3,降伏応力170 MPaで等方材料とした.ショットピーニングによって発生する塑性ひずみを熱ひずみで模擬して弾塑性計算を実施した.有限要素モデルを図8に示す.複合材シェル要素を用い,各層(積分点)に塑性ひずみ分布に対応した熱膨張係数を与えた.層の厚さはピーニングした面付近では0.02 mm,表面から0.6 mm より深い領域では0.10mm ~0.25 mmとした.熱膨張係数の分布は図9にプロットで示す空気圧0.3 MPa時の塑性ひずみ分をベースとした.xとy方向に同じ値を入力した.計算ではモデル全体を均一に仮想温度(a)球面に変形に上昇し,板厚内にひずみ分布を与えた.仮想温度を変えることで,塑性ひずみの量を変えて計算した.図9には1.5倍と0.5倍の例を示す.板厚2mmとし,形状は正方形で1辺が100~400 mmを計算した.板は図8のA~Eに示す5つ領域に分けて,端の領域Aから順に温度を上げていき,最終的に全体を同じ温度になるようにした.計算後にx方向とy方向の中心線での変位zを出力し,誤差の2乗和が最小になるように円の方程式にフィッテイングし,曲率半径(RxとRy)を求めた.■■ 有限要素法の結果■■~■ )図10に計算したz方向変位のコンター図を示す.等方的にひずみを付与したにもかかわらず,変形は球面変形と円筒変形の2つのモードが発生した.板厚2 mmのFEMの結果を図11に示す.x方向の曲率を1/Rx,y方向の曲率を1/Ryとした.200mm×200 mmの場合をみると,入力した塑性ひずみが小さい場合は(b)円筒に変形50-50-100-150-200-2500.00.2Depth from surface [mm]0.6 MPa (Cal.)0.6 MPa (Exp.)0.4 MPa (Cal.)0.4 MPa (Exp.)0.2 MPa (Cal.)0.2 MPa (Exp.)0.40.60.81.00.0450.0400.0350.0300.0250.0200.0150.0100.0050.000-0.0050.81.0− 117 −

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