天田財団_助成研究成果報告書2024
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ℎ0ℎ𝑏𝑏■■■■■■■(4) x方向とy方向の伸びを拘束している力F0と逆向きの力x方向とy方向の曲げを拘束しているM0と逆向きの曲図6飽和アークハイト(ピーニング強度)とショットの固有ひずみ成分𝑔𝑔𝑥𝑥と𝑔𝑔𝑦𝑦は同じで,材料全域で同じ分布と全拘束の場合)で発生する𝑥𝑥方向応力𝜎𝜎𝑥𝑥∗と𝑦𝑦方向応力𝜎𝜎𝑦𝑦∗を固有応力と呼び,𝜎𝜎𝑥𝑥∗と𝜎𝜎𝑦𝑦∗も等しくなる.深さ𝑧𝑧位置の固有応力𝜎𝜎(𝑧𝑧)∗を式(3)で示す𝜎𝜎(𝑧𝑧)∗=−1+𝜈𝜈により,式(4)で計算される応力が発生する.𝑥𝑥方向応力と𝑦𝑦方向応力は等しく,𝜎𝜎𝐹𝐹(𝑧𝑧)として示す.板厚をℎ,板幅を𝑏𝑏と■■■■𝜎𝜎𝐹𝐹(𝑧𝑧)=∫𝜎𝜎(𝑧𝑧)∗𝑏𝑏𝑏𝑏𝑧𝑧げモーメント𝑀𝑀が発生し,ピーニング面を凸に変形する.𝑥𝑥方向と𝑦𝑦方向の曲げモーメントも等しく,𝑀𝑀と表記する.𝑀𝑀=∫𝜎𝜎(𝑧𝑧)∗(𝑧𝑧−ℎ2)𝑏𝑏𝑏𝑏𝑧𝑧■■■■(5)ℎ0𝑀𝑀により,板は𝑥𝑥方向と𝑦𝑦方向に同じ曲率半径𝑅𝑅に曲げられ,球面状に変形し,曲げ応力𝜎𝜎𝑀𝑀(𝑧𝑧)が発生する.𝑅𝑅=𝐸𝐸𝑏𝑏ℎ3(1+𝜈𝜈)12𝑀𝑀(1−𝜈𝜈2)■■■■■■■(6)𝐸𝐸(1−𝜈𝜈)(𝑧𝑧−ℎ/2)■■■(7)𝜎𝜎𝑀𝑀(𝑧𝑧)=𝑅𝑅𝜎𝜎(𝑧𝑧)=𝜎𝜎(𝑧𝑧)∗+𝜎𝜎𝐹𝐹(𝑧𝑧)+𝜎𝜎𝑀𝑀(𝑧𝑧)■■■(8)2𝑆𝑆2}■■■■(9)𝑔𝑔(𝑧𝑧)=𝐴𝐴√2𝜋𝜋𝑆𝑆exp{(𝑧𝑧−𝐵𝐵)2する.ここで,z方向を板厚方向,xとy方向のピーニング面に平行な方向とする.材料に外力F0と曲げモーメントM0が負荷され,伸びおよび曲げが全く発生しない場合(完ここで,Eはヤング率,νはポアソン比である.する.以上の式で材料内の𝑥𝑥方向と𝑦𝑦方向の力とモーメントのつり合いが計算され,板厚内に発生する残留応力𝜎𝜎(𝑧𝑧)は以下の式で示される.本研究ではショットピーニングにおける固有ひずみ分布をガウス分布と仮定して検討した.ここで,𝐴𝐴は分布の面積を示す係数,𝑆𝑆は標準偏差で分布の広がりを示す係数,𝐵𝐵は平均で固有ひずみの最大位置を示𝐴𝐴=(1.793×10−6𝑣𝑣2+3.487×10−4)𝐷𝐷1.467𝑆𝑆=(1.778×10−5𝑣𝑣2+1.241×10−2𝑣𝑣■■■■■■+4.470×10−2)𝐷𝐷1.264■■■ 𝐵𝐵=(2.089×10−4𝑣𝑣2)𝐷𝐷1.828■■■■■■■ここで,ショット速度𝑣𝑣は(1)式で求めた値を用いた.す係数となる.実験結果の残留応力分布と最小二乗法でフィッテイングした応力分布を図5に線で示す.(8)式の係数とショット速度およびショット径の関係は下式で表される■■. (10)(11)(12)■■ 残留応力の計測結果5■6■板厚内の残留応力分布を図5に示す.図には計測結果(プロット)と4章で示す計算結果(ライン)を示す.いずれのショットにおいても空気圧の増加とともに圧縮残留応力の最大値は増加し,圧縮残留応力が導入される深さも深くなる.■■■アルメンストリップアークハイトの計測結果4■5)#20,#40と#100ともに,いずれの空気圧でもアルメンストリップN片のアークハイトはピーニング時間の増加とともに急激に増加するが,約4s/mmでほぼ飽和した.ピーニング時間T1でのアルメンストリップのアークハイトをH1,2倍の時間2×T1のアークハイトをH2とすると,(H2-H1)/ H1が10%下となる時間T1をカバレージが100%となる時間と定義する3).また,飽和したアークハイトをピーニング強度とする.本実験ではピーニング時間7.9s/mmのアークハイトをピーニング強度(単位はmmと表記)として評価した.実験結果をもとに,ショット速度,ショット径とピーニング強度Iの関係を考察した.図6にはショット速度とピーニング強度の関係を示す.ピーニング強度Iをショット速度vとショット径Dの関数として,以下の式で近似した.𝐼𝐼=3.020×10−2𝑣𝑣1.032𝐷𝐷1.085 (2)図中の線は式(2)の計算結果を示している.#40の0.2 MPaが近似線から外れているが,その他の結果はほぼ近似線と一致する.本実験条件の範囲では,ピーニング強度はショット速度とショット径にほぼ比例する速度,ショット径の関係4,5)4.残留応力の予測手法と検証6)■■■予測手法6■残留応力の発生源は材料内部に発生する塑性ひずみの不均一さであり,この塑性ひずみの食い違いを固有ひずみとして定義する.固有ひずみを用いることでショットピーニング後の残留応力分布は以下の式で弾性計算できる.ショットピーニングにおいて,一つのショットが衝突して発生するひずみは軸対称であるため,複数のショットが衝突した場合でもショットピーニングで発生するx方向とy方向− 116 −1−𝜈𝜈2𝐸𝐸𝑔𝑔(𝑧𝑧)■■■■■(3)

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