天田財団_助成研究成果報告書2024
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図6摩擦発熱後の回転治具の表面状態■・■摩耗量回転治具と発熱治具の摩擦によって,両治具の接触面において磨耗が生じていると考えられる.そこで,摩擦発熱後の回転治具の摩耗量を調べた.表2に,発熱治具SKD11およびSKD61に対する各種回転治具の摩耗量を示す.摩耗量は加工前後の表面からの深さ方向の寸法変化量と定義した.測定は一回の加工後で行わた.各種回転治具において,合金鋼系治具の摩耗量はステンレス鋼系治具のそれに比べて小さかった.これは,ステンレス鋼の組成中の炭素含有量が低いため,高温での変形抵抗が低くなったと考えられる.一方,ステンレス鋼系回転治具に対する発熱治具の磨耗はほとんどみられなかった.ただし,合金鋼同士の組み合わせの場合,両方の治具の摩耗量は増加した.表2摩擦発熱後の発熱治具および回転治具の摩耗量摩擦発熱後における発熱治具および回転治具の摩耗量に変化がみられた.そこで,複数の工程を経た後の治具の摩耗量の変化について調べた.図7に,摩擦発熱の工程を■■回繰り返した後の回転治具■■■■■■の摩耗量ff■■と発熱治具の摩耗量ff■■を示す.摩耗量の測定は摩擦発熱の工程ごとに行った.回転治具の摩耗量の変化は発熱治具によって異なる.発熱治具が工具鋼■■■■■と■■■■■の場合,回転治具の摩耗量は徐々に増加した.しかし,発熱治具が高速度工具鋼■■■■■の場合,回転治具の摩耗量はほとんど変化しなかった.高速度工具鋼の熱処理では一般に■ ■■~■■■■℃の高温から焼入が行われるが,本研究では熱処理は行っていない受け入れ材のままである.発熱治具で用いた■種類の工具鋼の硬さに大きな違いはなかった.各発熱治具の平均硬さは,■■■■■で約 ■■■■,■■■■■で約 ■■■■,■■■■■で約 ■■■■■であった.現在,発熱治具■■■■■の摩耗量の変化の理由については不明である.一方,発熱治具の摩耗量の変化は,どの治具も徐々に増加しており,各治具の増加率はほぼ同じであった.複数回の工程を行った回転治具と発熱治具の表面状態について調べた.発熱治具は■■■■■,■■■■■,■■■■■である.工程数■■■回の摩擦発熱後において,摩擦発熱の工程数が増加しても,両治具の表面に焼付きは観察されなかった.(a)発熱治具:SKD11(b)発熱治具:SKD61Heater jig (mm)SKD11SKD612.315.26.86.03.45.311.38.74.110.48.05.84.88.04.758.25SKD11SCM440SUP9SUJ2SUS430SUS304SUS327L1SUS310sSKD61SCM440SUP9SUJ2SUS430SUS304SUS327L1SUS310sRotary jig (mm)9.221.03.01.054.528.831.637.95.88.02.32.319.914.013.322.8− 105 −

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