天田財団_助成研究成果報告書2024
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˚( erutarepmeT■)C0 図6■(a)-(e)レーザ照射部のサーモグラフィ画像.繰返し周波数は,(a) 63.0 MHz, (b) 31.5 MHz, (c) 21.0 MHz, (d) 15.8 MHz, (e) 12.6 MHzとした.スケールバーは100 µm. (f) 点線上の温度分布. 100 µm1000˚C150˚CPosition (µm)(a)(b)(c)(f)(d)(e)8007006005004003002001000-15063.0 MHz31.5 MHz21.0 MHz15.8 MHz12.6 MHz1503007504506004.黒鉛化における温度計測 ■生成される構造の全体的な電気特性は,構成材料の個々の特性の結果として現れる.電気特性が異なった条件において,ラマンスペクトルでは黒鉛化炭素の生成には大きな差は認められなかったff■■■■■■■■■■■■■■■.このため,電気特性がパルスエネルギーにより変化することは,■■■の生成に起因していると考えられる.■■■ナノ結晶の電子移動度は乱層構造の黒鉛化炭素よりもはるかに低いため,パルスエネルギーの増大とともに構造の全体としての導電性は低下する.■生成する黒鉛化炭素は乱層構造であり,金属ライクな導電特性を示す.一方で■■■ナノ結晶は半導体材料である.実験においては,黒鉛化炭素の生成が少なく,■■■ナノ結晶の割合が大きい構造作製条件においてのみ半導体的特性が顕著に現れた.すなわち,半導体構造を実現する鍵は,低温高圧により黒鉛化を抑制することであると示唆された.■■レーザを用いた黒鉛化では熱効果が顕著に生じるため,本研究と同様の構造を作製することは難しいと考えられる.■ポリジメチルシロキサンのレーザ炭化により生成する炭素材料の微細形状および結晶性が温度変化とどのような関係にあるかを明らかにすることを目的として,実験研究を行った.レーザ炭化における高分子材料の温度変化をサーモグラフィーカメラにより測定し,レーザ照射条件を変化させて高分子材料の温度変化を調べた5■.■■図6に,異なる繰り返し周波数のレーザパルス照射中における■■■■のレーザ照射側表面から取得したサーモグラフィ画像を示す.単位長さあたりに照射されるパルス数が同一となるよう繰り返し周波数に応じて走査速度を変化させた.取得されたサーモグラフィ画像より,繰り返し周波数が高い条件ほど■■■■表面の温度の最高値が高かった.これは,単位長さあたりに注入されるエネルギーが同一であっても,繰り返し周波数が高いほど熱蓄積が顕著となったためと考えられる.図6ff■■■に,レーザ照射側表面において温度が最高となる箇所を位置■■µ■■とし,図6ff■■■■■の各図の黒点線にて示されるレーザパルス走査方向における■■■■のレーザ照射側表面の温度を示す.繰り返し周波数が高いほど最高到達温度が高く,■■■■表面のレーザパルス走査方向における温度分布の半値全幅が増大した.■■図7は,最高温度が同等となる条件の比較である.パルスエネルギーを変えることで,異なる繰返し周波数においても最高温度が同等となるようにした.高繰り返し周波数および低パルスエネルギーの照射条件では,最高到達温度に達するまでの昇温速度が高く,照射前の温度に戻るまでの時間も長いff図7ff■■■.繰り返し周波数が高い条件ではレーザパルスの走査速度が高く,単位時間あたりにレーザパルスの焦点位置が移動する距離が長いため昇温速度が高い.加熱炉を用いた研究では,■■■■の炭化温度である■■■■℃以上の温度にて加熱を数時間行う一方で,本研究では温度が■■■■℃に達しない.また,加熱炉では炭化においては■-■■■˚■■■■■■の昇温速度が用いられるが,本研究における昇温速度は著しく高い.このため,材料生成の過程に違いがあると考えられる.■最高温度がほぼ同一となる照射条件にて作製した構造から取得した■■■スペクトルを図7ff■■に示す.繰り返し周波数が高くパルスエネルギーが低い条件では θ■■■■■°■■■■°および■■ °において回折ピークが確認された.これらのピークは,■■■の結晶構造の■ff■■■■,ff  ■■■および■ff■■■■■平面に対応している.この結果は,■■■■表面の最高温度がほぼ同一であっても,繰り返し周波数が高くパルスエネルギーが低い照射条件では■■■が生成し,繰り返し周波数が低くパルスエネルギーが高い照射条件では■■■が生成しなかったことを示している.図7ff■■にラマンスペクトルを示す.いずれの条件でのスペクトルにおいても■バンド■ff波数■■約■■■■■■■■■■■および■バンド■ff波数■■約■■■■■■■■■■■が確認され,これらのピークはそれぞれ黒鉛質炭素における結晶構造の欠陥および炭素原子の平面内運動に由来する.繰り返し周波数 ■■■■■■■かつパルスエネルギー■■■■■■,および繰り返し周波数■■■■■■■■かつパルスエネルギー ■■■■■を除く照射条件では, ■バンド■ff波数■■約 ■■■■■■■■■■が確認された.このピークは黒鉛質炭素のフォノン格子振動に由来する.ラマンスペクトルから,繰り返し周波数が高くかつパルスエネルギーが低い条件では黒鉛質炭素の■バンドおよび■バンドのピーク強度の比■ff■■■■■比■が低くなることが確認された.これらの結果は,■■■■のレーザ炭化では,加熱炉を用いた炭化と比較して高い結晶性を有する黒鉛質炭素が生成可能であることを示している.■図7ff■■の■■■■の昇温速度を照らし合わせて考察すると,昇温速度が高い条件において■■■の生成および黒鉛質炭素の結晶成長が促進されると考えられる.一方で,加熱炉を用いた研究においては,昇温速度が高くなるにつれて■■■の生成および黒鉛質炭素の結晶成長が抑制されるこ− 99 −

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