天田財団_助成研究成果報告書2024
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3.シリコンカーバイドの生成る■ff■■■■■に対応する.レーザパワーの増大に伴い,■■■■の生成量および■ff■■■■■の数が増加したと考えられる.■■■の蛍光は粒径には大きくは依存せず,官能基により蛍光スペクトルが大きく変化することが知られている.図3に,得られた蛍光スペクトルをデコンボリューションした結果を示す.レーザパワーにより■■■■と■■■由来の蛍光比が変化することが示された.図2(a) レーザパルス照射により作製した構造断面の明視野顕微鏡画像.(b) 同構造の蛍光顕微鏡画像.励起波長は■■■■■■.(c) レーザパワーが異なる条件で作製した構造の蛍光スペクトル.図3(a)蛍光スペクトルのデコンボリューション.(b) 405 nmと420 nmの比のレーザパワー依存性.■■■■にはヘテロ原子としてシリコンが含まれるため,炭化過程においては黒鉛化炭素だけでなく■■■も生成する.この点に着目し,レーザ照射による■■■ナノ結晶の生成を実験実証し,その蛍光特性を調べた4).さらに,■■■の生成が増大する条件を見出し,電気特性を調べた.図4は,生成した■■■ナノ結晶の透過型電子顕微鏡画像である.図4ff■■では,赤い線で示したナノ結晶を囲むように黒鉛化炭素が存在していることが観察される.また,乱層構造の黒鉛化炭素も存在した.ナノ結晶では,■■■■■■のff■■■■面に対応する格子縞が観察された(図4ff■■).■■■ナノ結晶の外縁部では黒鉛化炭素のff■■ ■面を示す格子縞が確認でき,一部は剥離していた.ナノ結晶の粒径はパルスエネルギーに大きく依存した.図4ff■■に示すように,結晶の寸法は■■■■■未満から■■■■■■を超えるものまで幅広く分布し,パルスエネルギーが低いほどばらつきが小さい.フェムト秒レーザパルス照射では,特に焦点近傍で■■■から■■■にまで達する圧力が生じる.この圧力は材料の結晶化に関係することが知られている.高繰り返しレーザパルスの熱蓄積による高温状態とパルス幅が短いレーザパルスが生じる高圧状態はナノ結晶の核形成に寄与し,特に高いパルスエネルギーの条件下においてナノ結晶の生成は容易になると考えられる.図4(a)SiCナノ結晶の透過型電子顕微鏡画像.(b) 図(a)の黄色の四角の拡大像.(c)異なるパルスエネルギーにおける粒径分布.図5に, ■■■の長さの直線構造を描画して計測した電気特性を示す.パルスエネルギーが低い条件では電流値は電圧に比例するが,より高い条件,例えば■■■■■■■では指数関数的に変化することが分かる.著者の知る限り,レーザ炭化技術を応用して描画した構造において半導体特性を示したのは,この成果が世界初である.未解明の点も多いが,曲線を示した原因はミクロスケールにおけるショットキーバリアも寄与していると考えている.図5作製構造の電気特性.(a)I-V曲線.(b) 相対抵抗− 98 −

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