天田財団_助成研究成果報告書2023_2
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3.実験結果 図4は(a)1 lap材,(b)2 laps材,(c)3 laps材の光学顕微鏡写真と(d)対応するビッカース硬さ分布である.1 lap材の硬さ分布を見ると,受け入れまま材の104 HVと比較して,レーザ照射部中央では240 HV程度,照射部縁では180 HV程度と,部分的に高強度化しており,その高強度部幅はレ図3 (a)レーザ照射部外および(b)レーザ照射部中央 図4 局所焼入れ材 ((a)1 lap材,(b)2 laps材,(c)3 laps材) の光学顕微鏡写真と(d)対応するビッカース硬さ分布 にマークしたドット間の距離が,成形後どの程度変化したかを取得し,成形時に導入された局所的な面内ひずみを測定する手法である4,5).この手法を用いて,成形中に導入された面内ひずみを測定し,体積一定条件式に基づいて板厚方向のひずみに換算することで,板厚分布を算出した. 2・3 成形品強度におよぼす部分高強度化の影響 圧縮試験により,深絞り成形品強度におよぼす部分高強度化の影響を評価した.底部から22 mmの高さで成形品をカットし,耳を取り除いた後,クロスヘッド速度5 mm/minで圧縮試験を行った.さらに,圧縮試験中の変形挙動を3D変形解析システムARAMIS (GOM社製) により解析した.この解析システムは3次元デジタル画像相関法(3D Digital Image Correlation:以下,3D-DIC) の原理に基づいたもので,試験片表面にスプレーで塗布したランダムパターンが変形に伴ってどのように変化したかを,試験中に撮影した連続画像をもとに解析し,局所的な変形挙動を調べることができる4,5).この手法を用いて,圧縮に伴うひずみ分布の変化を可視化した. 3・1 レーザを用いた組織制御による部分高強度化 図3に1 lap材の組織観察結果を示す.図3(a)はレーザ照射部外,(b)はレーザ照射部中央の光学顕微鏡写真である.レーザ照射部外は,受け入れまま材と同様のフェライト組織であったのに対して,照射部中央はマルテンサイト組織となっており,局所的に組織が変化したことがわかる.ーザスポットサイズと同等の5.4 mmであった.2 laps材,3 laps材についても,1 lap材と同様に部分的に高強度化しており,その高強度部幅はそれぞれ9.0 mm,13.5 mmに 図2 深絞り成形実験の模式図 の光学顕微鏡写真 − 378 −

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