天田財団_助成研究成果報告書2023_2
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図3■超音波装置の中心から特定の距離で測定された音圧分布. ■ 図4■EI-MFC装置における超音波振動子の配置と音圧分布 ■■・ ■■■■■■■処理した浸炭材の特性■■従来のMFCとEI-MFC処理した浸炭材の表面粗さは初期の表面粗さと比較して変わらなかった.浸炭材はマルテンサイトとオーステナイトの二層が混在するため,X線残留応力測定装置で,(a) bcc構造の(211)面と(b)fcc構造の(311)面を測定した結果を図5に示す.+側は引張残留応力,-側は圧縮残留応力を示す.2 minで急激に改善し,その後は緩やかに圧縮残留応力が徐々に生起した.また, 図2■エネルギー集中型機能性キャビテーション装置の概略図 図3は超音波装置の中心から特定の距離で圧力センサー(HUS-3ポータブルソニックモニター,本多電子株式会社) を使用して,決定された相対音圧を示す.EI-MFCでは40 Wの超音波出力を採用した.本実験では28 kHz の 周波数で動作する5つの WSC28 振動子を x 軸方向に 5 列に配置し,3番目の振動子を中心に配置した.相対音圧は超音波装置の中心から10 mm離れた位置で15 mVと測定した位置の中心から54 mm の位置に試験片を設置した. 図4はEI-MFC中の超音波振動子の配置と音圧分布を示す.発振器のすぐ近くの相対音圧は8 mVであり,中心部は15 mVであった. − 357 − EI-MFCの最大の特徴はWJの円周方向から超音波を照射することである.この超音波の配置により,等温膨張と断熱圧縮を受ける気泡数はWJに垂直方向の一方向から超音波を照射するMFCと比較して増加される. 音圧が打ち消されるため,五角形で使用した.MFCと同様にウォータージェット(WJ)の作動により旋回流が発生することで流入孔から常温の水が流入する.これらの効果は渦流ノズル内のWJの周囲の圧力が低下し,気泡のサイズと数が増加する.気泡内の温度と圧力は気泡が超音波照射によって等温膨張と断熱圧縮するだけでなく,最初の気泡のサイズを大きくすることで最大化される1).また,旋回ノズルと試料台の距離を狭めることで流量が少なくなるため,外部への流出に時間がかかる.旋回ノズルと試料台の隙間が小さくなり,等温膨張と断熱圧縮の回数が増えることで,気泡内のエネルギーが非常に高くなる.また,この装置は以前に研究されたメカノケミカルMFC(MC-MFC)と同等に機能する2).具体的にはWJノズルをエジェクターノズルとして使用する場合,大気圧により図2に示すパイプからエジェクターノズルの側流にさまざまな化学物質が導入される可能性がある3).これはWJの周囲の静圧の減少により発生し,EI-MFC処理を可能にさせる.

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