天田財団_助成研究成果報告書2023_2
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).ua( ytisnen..t5Absorbance (au.)i LP).u.a( )ytisnetnI( goL2θ (degree)2Dペロブスカイトの(CnH2n+1NH3)2PbX4(X = Cl, Br, I)について、有機層のアルキルアンモニウムの分子長と層間 図9 各試料のXRDパターン。記号は等間隔の回折 ピークを示す。(d)の☆はシリコン基板の回折。(f)の×は結晶状のアミンの回折。鎖線はMAPbBr3の回折ピーク位置を示す。 距離の関係が以下の式に従うことが示されている[7]。 本研究の対象であるX = Brの場合、a = 0.806 (nm)、b = PLスペクトル(実線) かに低エネルギー側に強い発光ピークが存在する。この発光ピークが、紫外光下で見られる青色蛍光の原因である。このような発光・吸収スペクトルは、単層のハロゲン化鉛層を有する2Dペロブスカイトの(RNH3)2PbBr4について報告されている結果と良く一致している[12]。同様の吸収ピークは、弱いながら、OA、DA、DDAを添加して作製した試料にも見られる。したがって、どのアミンを添加してアブレーションした場合にも、生成量に差はあるものの、2Dペロブスカイトが得られたと推測される。一方、BA添加の試料以外には、2.4 eV付近に肩状の吸収ピークと、鋭い発光ピークが見られる。これが、溶液の色が通常照明下でオレンジ色であることと、緑色蛍光を示すことの原因である。これらは、MAPbBr3のスペクトルに見られる特徴であり、MAPbBr3が混在していることを示している[13]。特にこの成分が強いOA、DA、DDA添加の生成物には、ターゲットと同じMAPbBr3が多量に混在していると考えられる。 2Dペロブスカイトの特徴である、ハロゲン化鉛層と有機層の周期多層構造の形成を確認するため、XRDパターンを測定した。図9にその結果を示す。各試料のXRDパターンには、等間隔の回折ピークのシリーズが見られる。その他に、BAを添加した場合を除いて、MAPbBr3の回折ピークが観測された。これは、光学スペクトルから予想されたとおりの結果である。BA、HDA、ODAを添加したアブレーション生成物の回折ピークのシリーズは1種だけである。しかし、OA、DA、DDAを添加した場合には、2種もしくは3種のピークシリーズが観測された。このような特徴的な回折ピークは、基板に対して垂直な方向に周期性を持った構造であることを意味しており、2Dハロゲン化鉛ペロブスカイトにおいて報告されている[7]。無機ハロゲン化鉛層がアミン有機層と交互に積層した層状構造による回折パターンである。図9からわかるように、添加するアミンをBAからODAへとアルキル鎖長が長いものに代えていくとともに、回折ピークの間隔は狭くなっている。これは積層構造の周期が次第に増加することを意味している。より長いアミンを添加した場合に長周期になるのは、図3に示すような、ハロゲン化鉛層の間にアミンが有機層として組み込まれた構造が形成されていることを示唆している。回折ピークのシリーズが複数見られることは、積層周期が異なる2Dペロブスカイトが存在するためと考えられる。 回折ピークシリーズの回折角から、各試料の周期(無機層の層間距離)dを見積もった。以下のように、層間距離dと添加したアミンのアルキル鎖長には相関が見られた。 BA(n = 4): 1.354 nm、OA(n = 8): 2.006 nm、2.091 nm、DA(n = 10): 2.612 nm、2.855nm、DDA(n = 12): 2.360 nm、2.715 nm、3.085 nm、HDA(n = 16): 3.268 nm、ODA(n = 18): 3.558 nm − 344 −d = a + b × n (1) (a)(b)(c)DA(C10)(d)DDA(C12)(e)HDA(C16)(f)ODA(C18)201015BA(C4)OA(C8)2.02.5Photon Energy (eV)3.0図8 各試料の吸収スペクトル(点線)と BA(C4)OA(C8)DA(C10)DDA(C12)HDA(C16)ODA(C18)3.54.0(a)(b)(c)(d)(e)(f)25303540

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