天田財団_助成研究成果報告書2023_2
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図5■円偏光レーザーを用いたレーザー加速の3次元粒子シミュレーションの結果。(a)プラズマ電子密度分布の2次元断面図。加速された電子群の(b)3次元電子密度分布と(c)エネルギースペクトル。(d)ベータトロンX線スペクトル。 速電子群の長さは数µm程度であり、フェムト秒電子線パルスが発生している。つまり、円偏光フェムト秒X線パルス発生を示すことができた。 また、レーザー伝搬方向に対して左回りの偏光を持つレーザーパルスを用いた場合、加速電子群の螺旋運動は、レーザー伝搬方向に対して左回りとなることもわかった。こ1) H. Nakano et al., J. Laser Micro/Nanoeng. 44, 35 (2009). 2) T. Matsuda et al., Appl. Phys. Lett. 110055, 021902 (2014). 3) B. J. Demaske et al., Phys. Rev. B 8877, 054109 (2013). 4) A. Rousse et al., Phys. Rev. Lett. 9933, 135005 (2004). 5) E. Esarey et al., Phys. Rev. E 6655, 056505 (2002). 6) J. Squier et al., Appl. Opt. 3377, 1638 (2009). 7) F. Albert and A.G. R. Thomas, Plasma Phys. Contr. Fusion 5588, 103001 (2016). 8) 三浦永祐, 加速器 1199, 195 (2022). 9) I.Radu et al., Nature 447722, 205 (2011). 10) K. Takubo et al., Appl. Phys. Lett. 111100, 162401 (2017). のことは、レーザーパルスの偏光回転方向によってX線の偏光回転方向を制御できることを示している。XMCD測定で必要とされるX線偏光回転方向の制御が可能なことも示せた。 必要とされるレーザー強度は、3.1節で述べた我々のレーザー装置で十分達成でき、実験的検証も可能である。本手法は、フェムト秒レーザーによって誘起される磁性体の磁性変化の超高速ダイナミクス観測を可能とする、円偏光フェムト秒X線パルスを発生する有望な手法であると言える。 5.まとめ フェムト秒レーザーピーニングの加工物理を解明することを目的として、金属材料中に誘起されるレーザー駆動衝撃波挙動の観測を可能とするフェムト秒X線パルスを、レーザー加速で得られる高エネルギー電子線を利用して発生する研究に取り組んだ。ドライバーとなるチタンサファイアレーザー装置を高出力化し、それを用いて最高エネルギーが100 MeVに達し、50 MeV以上のエネルギーを持つ電子が106 個の電子線を発生した。 また、円偏光レーザーを用いたレーザー加速によって、磁性体材料の磁性の超高速挙動の観測を可能とする円偏光フェムト秒X線パルスが発生することを、シミュレーションによって示すことができた。 本研究を採択し、援助下さった公益財団法人天田財団の関係各位に深く感謝致します。■研究実施にあたり協力頂いた、分析計測標準研究部門放射線イメージング計測研究グループの各位に深く感謝致します。また、粒子シミュレーション実施にあたり、ご助言、ご議論を頂いた公益財団法人高輝度光科学研究センターの益田■伸一氏に深く感謝致します。■ 謝■辞■参考文献 − 341 −

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