■■ Z軸伝搬配置では、水晶の旋光性(光波偏光面が伝搬につれて回転)の影響も同時に受ける。このため直線偏光性を重視する場合はY軸伝搬配置が最も好ましい(直線偏光性を重視しない分野ではZ軸伝搬も選択肢となる)。 ■ ・ ■水晶のQPM特性■■QPM水晶のY軸伝搬配置を前提とし、例えば第2高調波発生(Second Harmonic Generation, SHG)に必要なQPMの反転構造周期は、その屈折率分散から図4のように計算できる。例えば波長1.064 µmの近赤外光励起で波長532nm緑色光発生には = 42 µm、波長532nm緑色光励起で266nm紫外光発生には6.0 µmのQPM反転構造形成が必要である。 ■なおQPMの特性から、理論QPM周期の奇数倍の構造周期'(即ち' = m x 、m:奇数)でもQPM動作検証が可能である。ただしこの場合の実効的な非線形光学定数d'は1/ mに低下する(d' = d / m)。この特性は短周期構造形成が困難な研究初期段階で有利であり、本研究における実際の構造形成で利用している。 ■なお、水晶はX軸のみに正負の極性を示す。即ち、反転構造が形成可能な軸はX軸のみである。このため、QPMスタンプ処理直後にエッチング等により簡便に反転構造形成が観察可能な結晶方位も限定されている。 3.実験方法 ■ここでは、QPMスタンプ法で必要な機器に関する検討内容を簡単に示す。 ■■・■■QPMスタンプ法■■QPMスタンプ法は図3で示したように、適切な構造周期の凹凸構造を有する応力印加用治具(QPMスタンプ)を利用し、高温加熱下でバルク水晶に周期的応力印加を施することで周期反転構造を形成する手法である。 ■■・ ■精密加熱加圧(ヒートプレス)■■QPMスタンプ法は本質的にはQPMスタンプを利用したバルク水晶の精密加熱加圧(ヒートプレス)過程である。水晶は室温付近でのα相から、温度573℃以上でβ相へ相変化する。このため基本的には573℃未満で加圧プロセスを行う。■図5にヒートプレス装置を示す。本機は最大温度400℃まで昇温可能であり、その条件下で最大15トン■これを解決する手法としては、(c)周期反転の中でも特に、周期的応力印加による水晶の極性反転法(QPMスタンプ法)を提案、実証した。これは必要なQPM構造周期に応じた凹凸構造を有する応力印加用治具(QPMスタンプ)を用い、高温加熱下でバルク水晶に周期的応力印加することでQPM水晶を形成する手法である(図3)5-7)。 図3■QPMスタンプ法 ■以上を踏まえ、本助成研究においては、QPM水晶の利用による高輝度紫外パルス光源の実現を最終目標として、QPMスタンプ法の基本検討やプロセス条件の改善などを行った。 2.QPM水晶の基本特性 ■ ・■■水晶の非線形光学特性■■水晶は点群32に属する正の一軸性結晶であり、独立した2つの非線形光学定数d11およびd14を有する非線形光学材料である。ここでその非線形分極Pは、入力励起光Eに対して以下で表される。 ■一般にd11≫d14であるため、以後はd11のみに着目する。このとき、光波伝搬方向がX軸、Y軸、Z軸の場合について、発生する非線形分極はそれぞれ以下のようになる。(yおよびzは励起光偏光角、E0は励起光電界)■■X軸伝搬(Ex = 0):■非線形分極はは誘起せず(Py■■■Pz■■■)■■Y軸伝搬(Ex = 0):■X軸偏光の分極成分Pxのみを誘起(Pz■■■)■■Z軸伝搬(Ex = 0):■偏光角zに依存した偏光性を有する分極を誘起■■上記特性から、水晶の波長変換利用にはY軸伝搬かZ軸伝搬である必要がある。しかし上記非線形光学特性に加え図4■QPM周期(Y伝搬SHG時) − 305 −
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