4.まとめ 0 ����3025201510504020�������[mJ]6080100謝 辞 参考文献 図9 励起エネルギーに対する増幅利得特性 3・3 テラワット級出力の実現性 本研究において、新たに考案したコヒーレント結合系を用いて、増幅フェムト秒レーザーパルスの受動コヒーレント結合に初めて成功した。この成功を受けて、本光学系にCPA(Chirped-Pulse Amplification)9)を併用することで、コヒーレント 結合で得られている最先端領域のギガワット(=GW=109 W)出力よりも3桁高い、未踏のテラワット(=TW=1012 W)出力の実現が可能であると考えられる。図10にTW出力を想定した受動コヒーレントビーム結合光学系の概略図を示す。 図10 TW級受動コヒーレント結合システムのブロック図 ここでは、OPA出力を〜4 mJとし、提案するCBC光学系内で4つのパルス(各パルス〜1 mJ)に分割され、CBC光学系内に配置されたディスク型チタンサファイアレーザー増幅器で増幅する。励起レーザー(532 nm)は直径5 mm、出力400 mJとし、チタンサファイアレーザー媒質を各面1 J/cm2で励起するものとする(両面で2 J/cm2)。4つのパルス に対して、2つずつパルスを同時に対向して4回パスさせることで先の2パルスと後の2パルスのエネルギーを一致させ結合効率が向上するように設計する。この場合、出力エネルギーは、34、34、18.5、18.5 mJとなり、出力は〜100 mJとなる。非線形効果がない場合(B積分値10)がゼロの場合)、最初の2パルスと次の2パルスが理想的な直線変更に戻る。ただし、これらの直線偏光は振幅が違うので理想的な方位の直線変更に戻らないが、理想的な方位からのズレを考慮に入れると〜96%の結合効率が期待できる。非線形効果をできるだけ低減するためにビーム径と出力を最適化することで、非線形効果による結合効率の低下を数%まで低減できることが計算より予測されている。加えて、増幅スペクトル幅やパルス圧縮器のスループットを考慮すると、TW(30mJ/30fs)出力が期待できる。 次々世代超高速微細加工に向けたフェムト秒レーザーの完全自動コヒーレント結合光学系を考案した。すなわち、全ての分割レーザーが同じ光路を伝搬でき、位相ズレをゼロとできる(自動で空間破面整合できる)光学系を提案した。本手法は固体増幅器を用いることができるので、大口径化が容易でハイパワー化で期待できる。多次元(時空間)分割による高いパワースケーリングが可能で、原理的に位相ズレがゼロとできるのでフェムト秒極短パルスレーザーの高効率結合が期待できる。本光学系に対して、3次元波動光学解析による理論限界の結合効率を得るための調整方法を確立するとともに、像転送光学系を組み込んだレーザー増幅器の整備と増幅利得評価を行った。これらにより、時空間分割増幅フェムト秒レーザーパルスの受動コヒーレント結合をに世界で初めて成功した。 本研究は、量子科学研究開発機構の宮坂泰弘主任研究員、笹尾 一主幹技術員、鈴木健治氏、田上 学氏、岡本征洋氏、有泉高志氏、同志社大学の戸田裕之教授、鈴木将之教授、渡邉謙斗氏、水野遥介氏、小田哲秀氏、赤井 仁氏、上野雄平氏、仲井紀香女史、高津 憩氏、勝 常也氏の協力があって初めて可能となったものである。これらの関係者各位に深く感謝致します。 1) N. C. Danson, C. Haefner, J. Bromage, T. Butcher, F. C. J. Chanteloup, A. E. Chowdhury, A. Galvanauskas, A. L. Gizzi, J. Hein, I. D. Hillier, W. N. Hopps, Y. Kato, A. E. Khazanov, R. Kodama, G. Korn, R. Li, Y. Li, J. Limpert, J. Ma, H. C. Nam, D. Neely, D. Papadopoulos, R. R. Penman, L. Qian, J. J. Rocca, A. A. Shaykin,W. C. Siders, C. Spindloe, S. Szatmari, M. G. M. R. Trines, J. Zhu, P. Zhu, and D. J. Zuegel, High Power Laser Sci. Eng. 7, e54 (2019). 2) H. Kiriyama, A. S. Pirozhkov, M. Nishiuchi, Y. Fukuda, K. Ogura, A. Sagisaka, Y. Miyasaka, M. Mori, H. Sakaki, N. P. Dover, Ko. Kondo, J. K. Koga, T. ZH. Esirkepov, M. Kando, and Ki Kondo, Opt. Lett. 43, 2595 (2018). 3) M. Hanna, F. Guichard, Y. Zaouter, D. N Papadopoulos, F. Druon and P. Georges, J. Phys. B: At. Mol. Opt. Phys. 49, 062004 (2016). 4) H. Fathi, M. Närhi and R. Gumenyuk, Photonics 8, 566 5) F. Guichard, Y. Zaouter, M. Hanna, K. Mai, F. Morin, C. Hönninger, E. Mottay, and P. Georges, Opt. Lett., Vol. 40, 89 (2015). 6) L. Daniault, M. Hanna, D. N. Papadopoulos, Y. Zaouter, E. (2021). Mottay, and F. Druon, Opt. Express, 20, 21627 (2012). 7) L. M. Frantz and J. S. Nodvik, J. Appl. Phys. 34, 2346 (1963). 実験値理論曲線− 292 −
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