天田財団_助成研究成果報告書2023_2
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− 26 −塑性加工塑性加工AF-2020005-B2一般研究開発助成AF-2020006-B2一般研究開発助成塑性加工微粒子加工,拡散層,耐食性,耐摩耗性akebono@hiroshima-u.ac.jp塑性加工,プレス成形,材料試験,シミュレーション多結晶塑性解析,表面あれ,その場観察tsuyoful@iis.u-tokyo.ac.jp広島大学大学院 先進理工系科学研究科 教授東京大学 生産技術研究所 准教授曙 紘之古島 剛金属微粒子による塑性加工を援用した金属拡散層形成と高機能金属材料の創製多結晶塑性解析と実験的その場観察の融合アプローチによる 金属薄板のひずみ誘起表面あれ進展挙動の解明本研究では,微粒子衝突による塑性加工に注目し,Cr微粒子を用いた微粒子衝突により,材料表層にCr元素から成る拡散層を形成し,その耐食性,耐摩耗性を改善することを目指した.また微粒子衝突による塑性加工を施す際の処理条件を種々変更することにより,より厚いCr拡散層を形成可能となる処理条件についても合わせて検討を行った.その結果,微粒子衝突による塑性変形にて形成されるCr拡散層は,投射圧力が高いほど,また加熱保持時間が高いほどより厚く形成されることが明らかとなった.また,耐食性評価試験,耐摩耗性評価試験から,微粒子衝突による塑性加工を施し材料表層にCr拡散層を形成することにより,その耐食性および耐摩耗性は向上することが明らかとなり,本研究で採用したCr微粒子による微粒子衝突処理の有効性が明らかとなった.自動車ボディのプレス成形では,金型と接していない金属薄板の表面において荒れていく,“ひずみ誘起表面あれ”が観察されることが知られている.ひずみ誘起表面あれの要因として,結晶粒は結晶方位を持っているため,変形の負荷方向によって抵抗する結晶粒の強度が異なるため,不均一変形が生じると考えられる.本研究では,表面あれ進展の影響因子として材料全体での中心方位と各結晶粒の結晶方位との方位差の標準偏差を挙げ,表面あれ進展係数との関係を結晶塑性解析およびその場観察実験によって調査した.その結果,中心方位によって変形中の各結晶粒の方位回転のしやすさ,および粒内での表面あれ進展のしやすさが変化することがわかった.また,中心方位による表面あれ進展のしやすさの違いが,実験においても現れることを確認した.

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