− 274 −図7.OICTイメージングをSiCショットキーバリアダイオード動作時の温度計測に適用する実験の概略図。 再び電極中心部に向かって収束していった。これは電流密度が高い電極中心部から温度上昇が始まり、電極周辺部への熱拡散に伴う温度変化を捉えたものである。これを三次元シミュレーションにより再現した結果が同図(B)である。デバイスの発熱をモデルに取り入れることで測定結果を極めて良く再現できる。この結果、デバイス内部の温度を図8(右)に示す通り、三次元で可視化することができた。従来のデバイス温度測定技術では表面温度やジャンクション部などの局所的温度は計測できていたが、内部温度をマイクロ秒の時間分解能で計測できる技術は初めての試みである。。 ・■■■■■■■に基づく残留応力モデルの構築■■急速熱処理時には試料表面が高い昇温レートで加熱される一方、深さ方向へは熱拡散に伴う温度分布が生じる。基板表面と内部の温度差は加熱速度が速いほど大きくなととなる。この干渉縞から温度分布を抽出するために、解析プログラムを従来の二次元から三次元のシミュレーションに拡張し、試料内の温度分布が三次元で計測できるように変更した。 により三次元シミュレーションも実用的な時間内で実行可能となり、図6に示す通り実測の干渉縞数(スキャン方向前方25本、後方11本、スキャン垂直方向27本)を完全に再現することができた。この結果、TPJ熱処理中のサンプル表面および内部の温度分布を図6(c)(d)に示す通り取得することができた。OICTイメージングにより高い空間分解能と100 sの高い時間分解能を同時に達成しつつ、三次元温度分布を得られることが実証できた。 以上の成果を踏まえ、OICTの新たな可能性として半導体デバイス動作時の自己発熱過程の観測への適用を試みた 4)。図7はOICTイメージングを半導体デバイス(4H SiCショットキーバリアダイオード:SBD)の温度測定に適用する方法を示す。光学系の構成に関しては、デバイスを拡大するために対物レンズが高倍率になっていることを除けば従来法と同じである。SBDに順方向のパルス(1ms)を印加し、デバイスの裏面側からOICTイメージングをおこなう。印加するバイアス電圧(VF)を増加させるとSBDに大きな電流が流れデバイス自体の自己発熱による温度上昇が発生する。図8に示す通り、SBD動作時のOICTイメージングにより発熱に伴う明瞭な干渉縞が見られた。VF = 30 Vにおける観測例を図8(A)に示す。パルス印加と同時に電極中心部から周辺部へ向かって拡がる干渉縞の輪が確認され、パルス印加終了と同時に縞は図8.VF = 30Vにおいて観測されたOICTイメージ(A)と三次元シミュレーションにより得られた干渉像(B)。TPJ熱処理時の温度をOICTにより計測する様子。写真中心の黒い板がサンプルステージであり、下方にある光学系により裏面から温度測定をおこなう。 OICTイメージングにより得られた実験データおよび三次元へと拡張した解析プログラムにより再現した干渉縞イメージの比較を図6(a)(b)に示す。新たな光学系で極めて鮮明な干渉像を取得することができ、対物レンズで拡大して捉えた像では10 mの空間分解能で干渉縞分布を得られることが明らかになった。専用コンピューター
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