天田財団_助成研究成果報告書2023_2
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− 24 −塑性加工塑性加工AF-2019030-B3一般研究開発助成AF-2019031-B3一般研究開発助成塑性加工押出し加工,表面平滑,アルミニウムkamitani@mech.kagoshima-u.ac.jp塑性加工ポーラスアルミニウム,光加熱,形状付与hanhan@gunma-u.ac.jp鹿児島大学 学術研究院理工学域工学系 教授群馬大学 大学院理工学府 知能機械創製部門 教授上谷 俊平半谷 禎彦溝列工具を用いた押出し加工によるアルミニウムの表面平滑加工と加工条件発泡アルミニウムの高速成形と高剛性化を同時に実現するソフトプレス加工溝列工具を用いた平面ひずみ押出し加工実験によるアルミニウムの平滑加工の加工条件に関して,加工表面性状への金型内部での塑性流動の影響と潤滑油の役割を把握するために,3種類の形状の異なる絞り工具(テーパダイ(Taper)・凸形状ダイ(Convex)・凹形状ダイ(Concave))を使用して金型内塑性変形領域における塑性流動状態が加工表面の平滑加工性に及ぼす影響を実験的に調査した.どの絞り工具形状を使用した場合でも溝列工具を使用すると広い粘度範囲で工具表面と同じかそれよりも平滑な加工表面を得ることが確認できた.低粘度VG7の条件では,凸形状の絞り工具の場合に工具出口部付近に焼付きが発生し,テーパダイの場合は溝部から金型出口部にかけて軽度のアルミニウム凝着が観察されたが,凹形状の絞り工具を使用した場合に平滑な加工表面を得ることが出来た.発泡アルミニウムは,アルミニウム内部に多数の気孔を導入した軽量性・衝撃吸収性・吸音性に優れる素材である。発泡アルミニウムを工業製品として利用するためには,製品形状に加工することが求められる。しかし,通常の緻密金属の加工と異なり,薄いセル壁からなる気孔は加工中に壊れやすいため,発泡アルミニウムの加工は難しい。代表的な発泡アルミニウムの作製法の一つにプリカーサ法がある。本研究では,プリカーサ法において発泡させた直後の軟化した状態での加工による様々な形状付与を試みた。発泡アルミニウムは加工が難しい素材であるが,発泡直後の温度帯を利用することで,気孔形態を維持しながら,それらの加工を実現できる可能性が示唆された。それらの加工を生産性良くできれば発泡アルミニウムの低コスト化にもつながると考えられる。

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