N / F 重荷 ⼤ 最 N / F 重 荷 ⼤最 謝 辞 参考文献 図8は、引張試験用突合せ溶接試験片の荷重-伸び線図を示す。本研究では、引張試験用突合せ溶接試験片の上部(母材A)側を固定する治具を移動させるクロスヘッドの移動量を測定した。また、図中には未溶接試験片の二相ステンレス鋼(SUS821L1)とオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)の結果を示している。これらの結果より、突合せ溶接試験片は図中の青色線で示すように明瞭な降伏現象が見られず、一般的なステンレス鋼と同様の傾向を示した。また、突合せ溶接試験片の最大荷重は約3.9kNであり、図中の赤色線で示す未溶接試験片(SUS821L1)とほぼ同程度であるのに対し、伸びは減少することが明らかになった。破断後の断面組織観察では、溶接金属中のオーステナイト相とフェライト相の量比が大幅に変化しており、母材と大きく異なることが知られている2)。特に、破面の組織がディンプルと呼ばれる延性破壊によって生じる破面状態を示しており、この差異については破断部とその近傍の組織観察および元素分析を行い、詳細に検討する必要がある。 突突合合せせ溶溶接接試試験験片片 伸び(クロスヘッド変位量) Δl / mm 図8 引張試験用突合せ溶接試験片の荷重-伸び線図 複複合合腐腐食食試試験験後後のの突突合合せせ溶溶接接試試験験片片 伸び(クロスヘッド変位量) Δl / mm 図9 複合腐食試験後における引張試験用突合せ溶接 試験片の荷重-伸び線図 SSUUSS882211LL11 SSUUSS330044 SSUUSS882211LL11 突突合合せせ溶溶接接試試験験片片 図9は、複合腐食試験後における引張試験用突合せ溶接試験片の荷重-伸び線図を示す。複合腐食試験後の突合せ溶接試験片は、図中の緑色線で示すように引張試験用突合せ溶接試験片(赤色線)とほぼ同程度の傾向を示しており、複合腐食試験による引張強度特性の低下は見られなかった。 本研究の一連の結果から、ファイバーレーザ溶接を施した二相ステンレス鋼板の突合せ溶接継手においては引張強度特性に関する新たな知見を得ることができた。したがって、溶接継手部の組織形態と機械的特性との関係を把握することにより、突合せ溶接継手の機械的特性に起因する支配因子の解明を明らかにすることができる。 4.結論 本研究では、ファイバーレーザ溶接を用いて二相ステンレス鋼板同士の突合せ溶接を行い、溶接継手部における断面織と機械的特性との関係について検討した。また、実機使用環境における溶接継手の健全性評価について検討するため、耐食性を考慮して過酷な複合腐食試験を施した突合せ溶接試験片の引張強度特性について検討した。得られた結果は、以下のよう要約される。 (1) レーザ出力2kWにおいて、未貫通溶接部が生じない溶接継手小片を得ることができた。 (2) 二相ステンレス鋼板(母材Aと母材B)間には溶接金属が形成され、ワインカップ形状で貫通溶接される。また、溶接金属は二相ステンレス鋼板と比較して硬化する傾向を示した。 (3) 引張試験用突合せ溶接試験片の最大荷重は約3.9kNであり、未溶接試験片(SUS821L1)とほぼ同程度であるのに対し、伸びは減少した。 (4) 複合腐食試験後の突合せ溶接試験片は、引張試験用突合せ溶接試験片とほぼ同程度の傾向を示し、複合腐食試験による引張強度特性の低下は見られなかった。 本研究を遂行するにあたり、複合腐食試験の実施にご協力頂いた地方独立行政法人北海道立総合研究機構の櫻庭洋平氏に厚く御礼申し上げます。また、本研究は公益社団法人天田財団の2019年度一般研究開発助成(AF-2019218-B3)を受けて実施されたものであり、深く感謝申し上げます。 1) 加賀祐司:JSSC, AUTUMN No.19 (2014), 3. 2) 大村朋彦, 櫛田隆弘, 小溝裕一:溶接学会誌, Vol.68 No.6(1999), 37. − 253 −
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