天田財団_助成研究成果報告書2023_2
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3.結果および考察 ■■■𝐿𝐿i=0.2%,励起光の集光半径𝑤𝑤𝑝𝑝𝑥𝑥=12 μm, 𝑤𝑤𝑝𝑝𝑦𝑦=43 μmに対して,レーザー集光半径𝑤𝑤𝑙𝑙𝑥𝑥=9 μm,𝑤𝑤𝑙𝑙𝑦𝑦=59 μm,で光光変換効率𝜂𝜂oo=76.4%など).さらに,レーザーの集光径のずれが1割に対して効率低下は1ポイント%以内)この低下という欠点があると考えられていたが,これも十分克服できることが明らかになった. 理論の信頼性が担保されたため,この半導体レーザーのビーム品質と出力パワーの条件で励起光およびレーザーの集光径,出力鏡透過率などの最適化を行なったところ,さらに効率を向上できることが明らかになった(残留損失径が最適値からずれたとしても,効率の低下は低い(集光とがわかった.従来,レーザーの効率向上には,励起光とレーザー光の横モードの幾何学的な重なりが重要であると考えられていたが,高密度励起の条件(かつ,高効率化の最適条件下)では,幾何学的な重なりが効率に与える影響は低いことが明らかになった. 図■■マイクロチップレーザーの光光変換効率のレーザー集光半径(垂直𝑤𝑤𝑙𝑙𝑥𝑥,水平𝑤𝑤𝑙𝑙𝑦𝑦)依存性,励起光集光半径𝑤𝑤𝑝𝑝𝑥𝑥=10.5 μm, 𝑤𝑤𝑝𝑝𝑦𝑦=40.1 μm,励起パワー𝑃𝑃p=3.87 W,出力鏡透過率𝑇𝑇=5%,残留損失𝐿𝐿i=0.2%,利得媒質の温度298 K,赤い破線は実験値■図■■■半球共振器マイクロチップレーザーの入出力特性,赤丸は実験値,出力鏡透過率𝑇𝑇=5%,線はすべて理論値(レーザー集光半径𝑤𝑤𝑙𝑙𝑥𝑥×𝑤𝑤𝑙𝑙𝑦𝑦)■ ・■■実験■理論の信頼性を確認するための実験構成を図3に示す.利得媒質はYbイオン添加濃度20at.%,厚み1 mmのマイクロチップYb:YAGであり,共振器側の出力鏡側の端面にレーザー・励起光に対する反射防止膜,共振器の端面側(励起光源側)の端面にダイクロイック膜(励起光に対する反射防止,レーザーに対する高反射膜)を蒸着している.また,共振器の端面側には冷却のために,反射防止膜が蒸着されたサファイア結晶を光学接着剤で接着している.利得媒質はヒートシンクに取り付けられており,その温度は室温(298 K)に制御されている. り,ビーム品質の測定値は水平方向𝑀𝑀𝑥𝑥2=1.5,垂直方向𝑀𝑀𝑦𝑦2=20であった.励起光の集光半径は,最小モード体積のときの集光半径𝑤𝑤𝑝𝑝𝑥𝑥=12 μm,𝑤𝑤𝑝𝑝𝑦𝑦=43 μmに対して,実測値は𝑤𝑤𝑝𝑝𝑥𝑥=10.5 μm, 𝑤𝑤𝑝𝑝𝑦𝑦=40.1 μm,実験における最大励起パワーは𝑃𝑃p=3.87 W(集光強度308 kW/cm2))とした. 励起光源はシングルエミッター型半導体レーザーであ■・■■レーザーの効率に関する解析■理論解析において,利得媒質の物性値は先行研究の値を用いた.レーザー分布関数はビーム品質が水平方向,垂直方向とも𝑀𝑀2=1のTEM00,集光位置は利得媒質の共振器側の端面とした(集光半径水平方向𝑤𝑤𝑙𝑙𝑥𝑥,垂直方向𝑤𝑤𝑙𝑙𝑦𝑦).ム品質が𝑀𝑀𝑥𝑥2,𝑀𝑀𝑦𝑦2のガウシアンとした. 質は測定値と同じ𝑀𝑀𝑥𝑥2=1.5,𝑀𝑀𝑦𝑦2=20)を励起光源とし室温(298 K)のときの結果(図5)を定量的に表すことが一方,励起分布関数は,集光位置はレーザーと同じく利得媒質の共振器側の端面とした.水平方向と垂直方向のビーまず,シングルエミッター型半導体レーザー(ビーム品た解析(図4,5)を行なったところ,利得媒質の温度ができた.これにより,一般に半導体レーザーの横モード(出力ビームの強度分布)には複数の高次モードが含まれているため複雑であるが,本理論,すなわち,励起分布を測定されたビーム品質をもつガウシアンと仮定した理論が定量的にも信頼できることが明らかになった.また,従来は,高密度励起には起因する熱光学歪の高さ(例えば,本実験では熱レンズ焦点距離の最小値は1 mm以下)よる効率図■■■半球共振器マイクロチップレーザーの概念図■− 235 −

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