天田財団_助成研究成果報告書2023_2
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− 19 −塑性加工塑性加工AF-2019018-B2一般研究開発助成AF-2019021-B3一般研究開発助成塑性加工,表面硬化,窒化Scanning cyclic press, 表面改質,常温窒化nakamut@eng.hokudai.ac.jp塑性加工,微小ひずみの定量評価SEM-EBSD,集合組織,KAMsakai@st.seikei.ac.jp北海道大学 工学研究院・機械宇宙工学部門 教授成蹊大学 理工学部 システムデザイン学科 教授中村 孝酒井 孝雰囲気制御Scanning Cyclic Pressによるチタン材料の常温窒化技術SEM-EBSD分析から得られるKAM値と相当塑性ひずみとの関係の定式化申請者らが開発した,振動圧縮負荷を部材に走査して表層を改質する技術(Scanning cyclic press: SCP)を窒素ガス中で純チタンに適用し,常温で窒化層を形成する手法の開発に取組んだ.SCP処理後の表面および断面をレーザ顕微鏡,走査イオン顕微鏡でそれぞれ観察するとともに,EPMAによる元素分析,XRDによる結晶相同定,ナノインデンテーション法によるナノ硬さ計測を実施した.その結果,表層は窒化チタン特有の黄金色に変色し,10µmの深さまで窒素が検出された.さらに表層の窒素はTiNの形態で存在したこと,表面の硬さは内部に比べて2倍以上に上昇したことなどが示された.これらの結果より,窒素環境中でSCPを施すことにより,純チタンの表層に常温で窒化層を形成できることが明らかとなった.EBSD分析から得られるKAMは加工によって結晶粒内に導入された転位密度の分布を表すとされており,転位密度の分布は材料に付加されるひずみ量と比例する.したがって,材料が塑性加工された時の相当ひずみ量の大小を調べる場合に,このKAM値で表すのが有用である.しかしKAM値は隣接方位差を示すだけで,物理量である相当塑性ひずみとの対の関係性はわかっていない.もしKAM値と相当塑性ひずみとの関係が定式化されて明らかになれば,塑性加工において導入された任意の場所の相当塑性ひずみが定量的に把握できることになる.そこで本研究の目的を,(1)KAM値と相当塑性ひずみの定式化,すなわちSEM-EBSD分析とOIM解析から得られたKAM値を,物理量を持つ相当塑性ひずみに換算すること.(2)KAM値はSEM-EBSD分析の測定点間隔(Step数)に依存することがわかっているため,これの変化についても確認すること,の2点とした.

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