− 17 −塑性加工塑性加工AF-2018029-B3一般研究開発助成AF-2019009-B2一般研究開発助成バニシング加工,医療用刃具バニシング加工,表面改質,バリ取りokada_m@u-fukui.ac.jp自動車用部材,建設用部材,高強度ボルト鉄鋼材料,集合組織,組織微細化,シャルピー衝撃試験,材料強靭化,温間圧延INOUE.Tadanobu@nims.go.jp福井大学 工学系部門 機械工学講座 教授物質・材料研究機構 構造材料研究設計・創造分野 塑性加工プロセスGr. 分野長岡田 将人井上 忠信医療用材料の極表層の微細塑性変形を活用した 2軸温間圧延プロセスによる鉄鋼材料の超強靭化マイクロ剪刀刃先に適した機能性表面の創成鋭利な刃先形状が要求される刃物製品としてマイクロ剪刀があり,柔軟な生体組織を術者の意図に倣い的確に切断できる切れ刃性能が求められる.現在のマイクロ剪刀の製造工程では,切削加工により生じたバリの除去,刃先の研ぎ,調子合せといった仕上げ工程が手作業によって行われる.本研究では,申請者らがこれまでに取り組んできたバニシング加工を応用することで, NC工作機械上で,前述の手作業で行われている仕上げ工程も完結させることを目指した.その有効性の検証として,バニシング加工による材料流動を活用した縁部バリの除去効果と,鋭利な刃先形状の制御を検討した.加えて,刃具の切断性能を定量的に評価するための評価装置を提案した.実験結果より,バニシング加工によりバリの除去ならびに切れ刃形状の制御が可能であることを明らかにした.加えて,切れ刃の切断性能を定量的に評価できる手法を提案できた.材料内に効果的にひずみを導入できる2軸温間圧延プロセスを提案し,このプロセスの有用性を有限要素法(FEM)によって3次元解析し,材料創製,特性評価,組織解析を実施した.具体的には,0.15%C成分の低炭素鋼を対象に,焼入れ後に温間域で2方向からの圧下を通して減面率88 %の圧延を実施し,強度800 MPa級で短軸結晶粒長さ1.2 μmの超微細組織構造を有する13 mm角×1 m長さの開発鋼を創成した.その後,-196℃から200℃の温度域での引張り試験とシャルピー衝撃試験,そして組織・破面観察を通じて,き裂伝播挙動と組織の関係について検討を行った.開発鋼の中心近傍の領域には強い{100}<001>Cube方位が,それ以外の領域ではRD//<110>αファイバーが発達し,これらの方位の相違は圧延中の加工モードに依存することをFEMで明らかにした.開発材は,同強度クラスの中・高炭素焼き戻しマルテンサイト鋼に比べ,優れた強度−靭性バランスを有した.
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