キーワード:逐次部分張り出し,ゴム弾性,金型不要,チューブフォーミング,衝撃エネルギー吸収体 ■■■■■■■■■■■■■■図1■■衝突変位と荷重曲線■く見受けられる.例えば,自動車の前面衝突用のエネルギー吸収部材として,エンジンを左右から挟むように設置されているサイドメンバーという中空の細長い角柱構造は,前面衝突時に横へ折れ曲がる現象が生じやすく,一旦それが発生すると,衝突エネルギー吸収量は極端に下がる.それに起因して,圧潰変形途中においては,圧潰反力の初期ピーク荷重は低く,横へ折れ曲がる現象が生じることはなく,できるだけ圧潰変形を長く続けることは重要な設計課題となっている.■■この圧潰変形途中で横へ折れ曲がる現象が生じる問題を改善するため,折紙構造を緩衝材設計に適用する検討が行われている.圧潰変形途中で横へ折れ曲がる現象が生じる問題を改善するため,長い緩衝材の圧縮座屈の波長を求め,座屈の腹部と節部に切欠きを入れることによって確実にアコーディオン状の圧潰変形の実現を得たが,圧潰反力の初期ピーク荷重が高すぎるという欠点は解決できていない.そこで,周長方向に折り線を入れた反転らせん型折紙構造を緩衝材設計に適用することで,圧潰変形が長く続けられる特性を得,初期ピーク荷重も和らげる結果を得ているが,圧潰反力は低くなり,衝撃エネルギー吸収性能は低下した結果が得られた.ただし,折紙構造を緩衝材設計に適用すれば,圧潰しわの発生を有効にコントロールすることができる利点が確認され,側面壁に沿って様々なパターンの折り線を入れることにより緩衝材の性能向上に関する検討が行われている.■■一方,折紙構造の形状的特徴からパラメトリック設計の表現法を考案した最適化解析を適用して,衝撃エネルギーが多く吸収する結果が得られている.また半割型サイドメンバーの設計に最適化解析を用い衝撃圧潰エネルギー吸収性能を改善した検討結果が発表した.■■しかし,折紙型緩衝材は三次元的に複雑な形状をもつため,設計通りに加工するには困難となるケースが多いが,円筒に近い形状特徴からハイドロフォーミング法を利用することによって加工できると思われるが,加工工程が複雑かつ加工コストも高い原因で,折紙型緩衝材の実用化は実現できていないのが現状である.■■本研究では,折紙型緩衝材の加工問題を解決するため,新たに突起付き円筒型緩衝材(Cylindrical Absorber with 1.研究の目的と背景 ■衝撃エネルギー吸収体として設計される工業製品はよ埼玉工業大学■工学部■機械工学科■( ■ ■年度■一般研究開発助成■■■■ ■ ■■■■■■ )■教授■趙■希禄■Protrusion, 以下CAP)を提案する.円筒素材の軸方向に沿って一定の間隔で部分張り出しの突起部を設ける.さらにCAPを簡易かつ安価で加工するように,ゴムの弾性を利用した逐次部分張り出し成形法を利用して,実際の専用加工装置を開発し,試作実験で得たCAPの測定結果と■■■解析結果を用いて,CAPの緩衝効果とそれを加工する新しい成形法の有効性を検証する.■ 2.突起付き円筒型緩衝材CAP ■衝突する際に,緩衝材の圧潰反力の分布は一般に図■の青い線に示すような分布になる.緩衝材は衝撃荷重を受ける際に,一番最初の座屈しわが発生する時の座屈荷重は初期ピック荷重と呼ばれ,通常,初期ピーク荷重が低くなるように緩衝材を設計する.理想的な緩衝材としては,赤い線で示すように,比較的低い初期ピーク荷重を持ち,圧潰変形途中では圧潰反力レベルを保ちながら圧潰変形を長く続けることが求められる.■■図■の赤い線で示す理想的な圧潰荷重分布を得られるように,図 に示すように円筒素材の軸方向に沿って等間隔で突起部を設ける形で新たな■■■を提案する.■■本研究の検討対象であるCAPの寸法は図 に示すように円筒素材の内径50mmに対して,突起部の高さを内径の10%の5mmとし,基本構成部の長さは構成部の平均直径(50+60)/2=55mmに等しくなるように,円筒部の長さを22mm,突起部の長さを33mmとした.成形前の肉厚は1.2mm,円筒素材の材質は炭素鋼STKM11Aである.■− 185 −ゴム弾性を利用した金型不要の逐次部分張り出し 塑性加工法の開発
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