天田財団_助成研究成果報告書2023_2
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図5■ひずみの進展に伴う集合組織の変化 図6■単結晶における表面あれ進展挙動 表1■A2024およびA1220の結晶方位 表2■A2024およびA1220の結晶方位の標準偏差 Sc■ 表2に,A2024-O材およびC1220-O材に対する単軸引− 183 −(a) Cube(d) CopperA2024C1220張試験を行った際の,EBSD観察から得られた中心方位のオイラー角と方位差の標準偏差,および表面あれ進展係数の値を示す.この2つの試験片は同じ結晶構造であり,度合いが等しく,同様の表面あれ進展係数の値をとるはずである.しかし実際には,C1220試験片における表面あれ進展がA2024よりも大きく,表面あれ進展係数も大きな値をとっていた.本研究におけるCPFEMの解析から得られた示唆に基づけば,この表面あれ進展係数の違いは,各試験片全体での中心方位の違いによるものであると推A2024 (c=0.084)C1220(c=0.163)Average orientation(b) Goss(e) BrassMisorientationCubeGoss(c) SCopperBrass0.0840.163た.また,中心方位ごとの表面あれ進展のしやすさは,S≥Copper≥Brass≥Cube=Gossの順番となった.■の起こりやすさが異なる点が挙げられる.図5に,𝜎𝜎(𝜃𝜃)= ∘の場合の,変形前(𝜀𝜀𝑥𝑥=0.00)と変形後(𝜀𝜀𝑥𝑥=0.0 )における{111}極点図の分布を示す.𝜎𝜎(𝜃𝜃)= ∘では,特にS■・ ■中心方位の影響に関する考察■材料全体の中心方位が表面あれ進展のしやすさに影響を与える原因として,中心方位によって変形中の方位回転方位を中心とした場合に変形前後の方位回転が顕著に発生し,Cube方位,Goss方位中心の場合には,変形前後の方位差があまり見られなかった.したがって,変形中に方位回転が発生しやすい方位群を与えると,変形中での各結晶粒の変形抵抗の差が増大し,表面あれが進展しやすくなると考えられる. ■もう1つの原因として,各結晶粒内での表面あれの発達のしやすさが挙げられる.図6に,本研究で中心方位として設定した5方位をもつ単結晶の引張試験を結晶塑性解析を用いて行った際の,自由表面での厚さ方向変位分布を示す.この結果から,粒内での表面あれ進展のしやすさは,S > Copper = Brass > Cube = Gossの順番となり,中心方位による表面あれ進展のしやすさの順番と一致したため,粒内での表面あれの発達度合いが材料全体での表面あれ進展に影響を与えていると考えられる. ■このような中心方位による表面あれ進展挙動の違いは実験においても見られる.実験による引張試験において,金属A2024とC1220について,それぞれの中心方位と本研究の解析で中心方位として設定した5方位との方位差を表1に示す.A2024の中心方位はGoss方位,C1220の中心方位はCopper方位と最も近い方位であったため,Copper方位に近い中心方位をもつC1220の方位が表面あれ進展しやすいと考えられる. ■・■■実験結果との比較■0.000.05(a) Cube(b) Goss(c) S(d) Copper(e) Brass . ∘ 7.4∘ .7∘40. ∘ . ∘47.0∘ . ∘ .1∘ 0.7∘ . ∘σ(𝜃𝜃)がほぼ同じであり,表面あれ進展係数が異なるFCC𝜎𝜎(𝜃𝜃)がほぼ同じ値をとっているため,結晶方位のばらつき

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