V曲げ加工部外側表面に対するレーザ局所加熱により,曲げ部内側表面の引張り残留応力の低減,曲げ部外側の硬4. 結び 謝 辞 参考文献 高張力鋼板のV曲げ加工部外側表面に対してレーザ局所加熱を行うことで,少なくとも低サイクルでの曲げ部疲労寿命は向上した.本研究の範囲内では,曲げ疲労寿命の向上効果が最大となる最適レーザ出力は100 W,最適スキャン速度は500 mm·min−1であった.一方で鋼種によっては高サイクルでの疲労寿命が加熱によりかえって低下する場合もあった. 化層の形成,結晶微細化などが生じ,これらが曲げ部疲労寿命に対して複合的な影響を及ぼすと考えられる.複数の影響因子のうちどれが支配的な影響を持つかはレーザ局所加熱条件や曲げ疲労試験条件により変化するものと考えられるが,これについてはまだ明らかにできておらず引き続き検討が必要である. 本研究は公益財団法人天田財団の2019年度一般研究開発助成(AF-2019033-B3)を受けて行ったものである.ここに記して謝意を表す.また,本研究の遂行にあたりレーザ装置使用に関してご指導・ご協力いただいた広島大学・山本元道教授,実験遂行に多大な協力をいただいた広島大学大学院生の足立涼斗君,錦織修一君,タイ王国RMUTKのKomgrit Lawanwong氏に謝意を表す. 文集, 27-4 (2009), 307-315. 1) 株式会社ワイテック, https://www.ytec-gr.co.jp/technology/ weightsaving.html, 2023/5/20参照. 2) 内山宗久: 第324回塑性加工シンポジウム, (2017), 17. 3) 大川輝・大川功: 材料, 64-12 (2015), 1026-1033. 4) 太田高裕・鴨和彦・朝田誠治・寺崎俊夫: 溶接学会論− 176 −
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