3. 研究成果 3鋼種ともに曲げ変位振幅が小さい条件(黒塗りプロット)においては疲労寿命が大きく向上する最適なレーザ出力条件(おおむね100 W)が存在することがわかる.その最適値を超えてレーザ出力を過度に増大させるとかえっ 図4 レーザ局所加熱の模式図 2.4 残留応力測定 X線残留応力測定装置µ-X360(パルステック工業株式会社製)2)を用いて,cosα法によりV曲げ部内側・外側表面部における長手方向残留応力の板幅方向分布を測定した.図5に示すように曲げ中心部の外側Aと内側D,およびR止まり部の外側B・Cと内側E・Fの各線上において板幅方向に1 mm間隔で各19個の測定点を設定し,残留応力分布を求めた.X線照射スポットサイズは約0.3 mmとした. 図6 曲げ疲労試験模式図 図7 曲げ疲労寿命に及ぼすレーザ出力の影響 図5 残留応力測定位置 2.3 レーザ局所加熱 図4に示すようにV曲げ後の試験片を曲げの稜線が鉛直になるように固定し,曲げ稜線部外側表面に対してレーザ照射スポットを上方から下方へ1回スキャンして試験片幅全体に局所加熱を行い,空冷した.レーザ照射には半導体レーザ(Laserline GmbH製,LDF 6000-40)とレーザヘッド(Laserline GmbH製,LLK-Auto)を使用した.デフォーカス(焦点外し距離)0 mmのジャストフォーカスで照射スポット径は0.4 mmであり,照射スポット移動速度(スキャン速度)は400~600 mm·min−1,レーザ出力は75~150 Wの範囲で変化させた. 2.5 曲げ疲労試験 V曲げ加工後,およびレーザ局所加熱後の試験片に対して,曲げ変位一定方式の面外曲げ疲労試験3)を実施した.曲げ疲労試験の模式図を図6 (a)に示す.試験は図6 (b)の試験ジグを装着した油圧式サーボパルサー(株式会社島津製作所製)により実施し,繰返し速度1 Hzで両振りの曲げ変位を付与し,破断発生をもって試験を停止した.曲げ変位は図6に示す変位付与点(曲げ稜線から100 mmの位置)における変位振幅を3.8~12.5 mmの範囲で設定した. 3.1 疲労寿命に及ぼすレーザ出力の影響 レーザ局所加熱におけるスキャン速度を500 mm·min−1で一定としたときの,レーザ出力と曲げ疲労寿命の関係を図7に示す.図中凡例に記載した8 mm,10 mmなどの数値は疲労試験における曲げ変位振幅である.またレーザ出力0 Wは非加熱試験片の結果を示す. て疲労寿命が低下し,非加熱試験片と同程度になることも(a) 曲げ疲労試験の概要 (b) 曲げ疲労試験ジグ − 172 −
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