4.結論 謝 辞 参考文献 図8は,潤滑油条件VG32におけるビレット試験面押出し出口部の製品表面部の表面粗さと光沢度Gs(20°)( Rhopoint instruments製微小・曲面光沢度計FLEX20)を比較している.凸形状ダイ(Convex)の場合,表面粗さRaはすこし大きくなっているが,光沢度Gs(20°)は500程度で,いずれの加工表面も平滑な加工面となっている. 図8 製品表面部の表面粗さと光沢度Gs(20°) (VG32の場合) 溝列工具を用いたアルミニウムの平滑加工を可能とする加工条件に及ぼす金型内部の塑性流動の影響を,絞り形状の異なる3種類の工具(テーパダイ・凸形状ダイ・凹形状ダイ)を使用して実験的に調査し,以下の結果を得た. (1)広い粘度範囲で,どの絞り工具形状を使用した場合でも溝列工具を使用することで工具表面と同じかそれよりも平滑な加工表面を得ることができた. (2)潤滑油にVG460を使用した条件では,高粘度で厚い油膜が形成されるため,溝列工具による溝列部分での油膜制御が難しく,安定して平滑加工表面を得ることは困難であった. (3)各絞り工具形状で平滑加工ができた動粘度範囲は,テーパ形状の絞り工具については 71〜3336mm2/s,凸形状の絞り工具については 240〜1435mm2/s,凹形状の絞り工具については 11〜1435mm2/sであった. (4)VG32の条件では,凸形状の絞り工具の場合に平面工具表面の押出し出口部付近でアルミニウムの凝着が観察された. また,VG7の条件では,凸形状の絞り工具の場合に工具出口部付近に焼付きが発生し,テーパダイの場合は溝部から押出し出口部にかけて軽度のアルミニウム凝着が観察された.いずれの粘度条件においても,凹形状の絞り工具を使用した場合には平滑な加工表面を得ることが出来た. 本研究に対し,公益財団法人天田財団より研究助成を いただきました.記して感謝の意を表します. 1) H. Kudo・A. Azushima: Proc. 2nd Int. Conf. Techn. Plast. (ICTP1987), (1987),3734. 2) 河合望・堂田邦明・秋山和洋・王志剛:日本機械学会論文集(C 編),5555-517(1989),2493. 3) 中村保・近藤一義・西ヶ谷知栄:日本機械学会論文集(C 編),5566-530(1990),2794. 4) 上谷俊平・中西賢二・シャルライル サミオン:軽金属, 5588-3(2008),111. 5) 上谷俊平,中西賢二,鸙野大樹,尾﨑正敏:軽金属,5599-7(2009),339. 6) S. Kamitani・K. Nakanishi・Y.-M. Guo・M. Ozaki, Y. Honda: Proc. 10th Int. Conf. Techn. Plast. (ICTP2011), (2011),176. 7) S. Kamitani・K. Nakanishi・Y.-M. Guo: Procedia Engineering, 8811(2014),1878. 8) S. Kamitani・Y. Honda・Y-M. Guo: Procedia Engineering, 220077(2017), 407. 9) 王志剛・堂田邦明・春山義夫・横井信安:日本機械学会論文集(C 編),6655-636(1999),3408. 10) S. Sheu・L. G. Jr. Hector・O. Richmond: ASME J. Tribol. 112200(1998)517). 11) 中西賢二・岡村俊一・中村正久:塑性と加工,1188-203(1977),990. 12) 日本塑性加工学会:プロセス・トライボロジー, (2020), 20, コロナ社 13) 中村保・松井伯夫:日本機械学会論文集(C 編),5566-530(1990),3332. − 161 −
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