■4.結言■■本研究では,異方向アルミニウム摩擦攪拌接合材を作製図12■非対称試験片の長手方向のひずみ分布の変化■最後に表4に非対称試験片の平均的力学特性と部分的力学特性をまとめた.まず,引張強さについては高強度のビード部の変形も生じるためか,二つの材料の平均値よりやや高い値となった.全伸びは大きく減少し,平均的なF値は対称試験片よりも10MPa程度高く,逆にn値は多少小さくなった.部分的な特性について見ると,F値とn値は平均的な特性値と同等で,二つの材料で大きな違いはなかった.一方,r値については,多少過大評価しているものも見受けられるが,0および90については素材の値と大きな変化がなかった.一方,45については素材に比べて明らかに増加したと考えられる.■表4■非対称試験片の力学特性■図13■非対称試験片の幅方向のひずみ分布の変化■■■■■■■これについてはビード部のr値の影響が考えられる.ビード部のr値が0や90と同程度もしくはそれより大きいと考えると,元々かなり小さかった45に対しては板厚方向の変形への拘束が大きいと考えられる.そのため,一軸引張りのものよりも板厚方向のひずみが小さくなり,相対的にr値が大きくなったことが考えられる.したがって,45に関しては板厚断面内で二軸引張り状態となっているのではないかと考えられる.■し,一軸引張試験における接合材の変形挙動とr値等の力学特性の評価を行った.接合ビードが引張方向に垂直な対称試験片と平行な非対称試験片のそれぞれについて実験による調査を行った■■まず,変形には組織や構造の対称性よりも負荷系の対称性の影響が強く現れた.これは塑性ひずみ生成のメカニズムに起因したものと考えられる.対称試験片では幅方向の拘束からr値が大きい方向で変形への影響が大きく,逆に非対称試験片では長手と厚さ方向の拘束からr値が小さい方向で大きな影響が現れることが示唆された.■− 150 −
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