■■■■図10■焼鈍し処理をした対称試験片の形状変化■あった.45/0については,ビード部近傍の0側の変形の集中が弱まり,一様な変形が促進されたように見える.90/45および0/90では特に90側に顕著な変化が見られた.いずれの場合もビード部近傍の90側で変形の集中が見られなくなり,一様変形部でくびれが大きく発達するようになっている.これらの結果からビード部の近傍では軟化が生じて変形がより一様になったことが示唆される.■O相当材では,45/0および90/45では目立たないものの,ビード部がおよそ45の幅に合わせて変形している様子が伺える.0/90では明らかにビード部がおよそ0に合わせて変形しており,十分に軟化されている様子がわかる.ただし,この場合にひずみの集中が90のつかみ部近傍で生じているため,より適切な力学特性の評価には試験片形状の再検討が必要であると考えられる.■3・5■四枚接合による対称試験片の作製■また,摩擦攪拌接合を利用し,接合を二回行って四枚の板を接合すると試験の系の対称性とおよそ一致する対称性を持つ接合材が作製できる.そこで,摩擦攪拌接合による四枚接合の方法を検討し,四枚接合材の作製を試みた.図11に作製した四枚接合材を示す.図から,十字型の接合ビードが確認でき,良好な四枚接合がなされていることが示唆される.ただし,これまでの結果のようにビード部が変形挙動に大きく影響するため,まずはビードの影響の解明と軟化の方法の検討を先に進めることとした.■ 3・6■非対称試験片の変形挙動および力学特性■引張方向と平行な接合ビードの影響と引張りの系に非対称な試験片の変形挙動を明らかにするために,非対称試験片の引張試験を行い,長手方向と幅方向のひずみ分布を調査した.図12に平均伸びが2%ごとに測定した引張りによる非対称試験片の長手ひずみ分布の変化を示す.図12(a)~(c)はそれぞれ0-0,45-0および90-0に対する結果である.図では左側に前進側,右側に後退側の材料の分布を示している.■図より,長手方向のひずみ分布はややばらつきが大きいものの,基本的には左右対称の分布になっている.本来は変形抵抗の異なる材料であるが,平行部が変位的な拘束を受けた状態で一様に変形するため,長手方向の変形は左右で同じになったものと考えられる.■次に図13に,非対称試験片の引張り時の幅の変化について示す.0-0および90-0については,左右の変形に大きな違いが見られなかった.45-0については,45側の変化が大きくなった.また,中央部に大きなくびれが形成されている様子が確認できる.ただし,破断の形態として,ビード部の損傷から損傷部における変形の集中が起きて破断に至っていることに注意が必要である.■− 149 −図11■四枚接合材を持つ接合材
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