キーワード:プレス打ち抜き加工,破壊開始点,機械学習 ■■Fig. 1 Photograph of cut surface by press working Fig. 2 Axisymmetric model for punching ( ■■■年度■一般研究開発助成■■■■ ■■■■ ■■■) に大量に部品を製造するために広く用いられている.加えて近年では,部品・製品の切断面精度も要求されている.このとき金型設計製作にとって特に重要なのは,せん断面から破壊面への開始位置の予測である. ■プレス打ち抜き加工による製品は,Fig. 1の写真に示すように,切断面が滑らかなせん断面と破壊により生じた破壊面とに分かれている.Fig. 2にはダイとパンチの金型で板の打ち抜き軸対称の模式図を示す.また,板の跳ね上がりを抑えるためのダイ上部に板押さえを装備したものもある. せん断による切断面を大きくするためには,ファインブ1.研究の目的と背景 ■プレス打ち抜き加工は,自動車産業などにおいて,安価佐賀大学■理工学部■教授■萩原■世也■ランキングのように,金型のクリアランスを小さく取る必要があり,金型の精度を必要とする.ファインブランキングのように板押さえ荷重を負荷し,ダイと板押さえにV字型突起を付けても,クリアランスが大きくなると一般のプレス打ち抜きと同様に破壊面の部分が大きくなることが分かっている[1][2][3]. ■一般的には,構造物の過荷重や疲労によるき裂開始点を予測することは非常に困難であるとされている.また,連続体損傷力学等による理論により,損傷寿命の予測は行われているが,実際的に設計に使用するためには,汎用有限要素法ソフトウェアに組み込まれている損傷理論を用いるか,そして,これらの物理モデルのパラメータ同定を行い,ユーザールーチンを作成し組み込むことになり,専門的な知識が必要になる.■一方,近年注目されている機械学習(マシンラーニング)は,入力値に対して,適切な出力値の学習を行うことにより,入力値としての変数を基にして適切な数値を得ることができる.近年の機械学習は,新たなアルゴリズムの開発とコンピュータの処理能力の向上により,大量のデータによる学習と深い階層による学習が可能となっている.この機械学習は,主にメールの分類,検索機能,金融,画像認識や文字認識などのパターン認識,ゲーム戦略など幅広い分野で用いられているが,現在のところ機械設計などに用いられている例は非常に少ない. 本研究では,簡便なプレス打ち抜き加工試験結果と有限要素法解析による種々の内部の状態変数をもとに,機械学習を用いることにより,物理的モデルを用いないで,打ち抜き加工の切断面におけるせん断面から破壊面への開始点を同定する新しい手法の提案を行う.これにより,打ち抜き加工金型に必要なダイとパンチの最適なクリアランスを予測する手法を開発することを目的とする. ■プレス打ち抜き加工においては,延性破壊条件式,連続体損傷力学理論を用いた破壊開始点の予測に関する研究が行われている.それらを有限要素法解析により,事前に把握できるようになることは,製品精度基づいた金型設計を行うことができ,それに伴い製品の精度管理に非常に有益である.しかし,延性破壊条件式および提案されている連続体損傷力学理論の物理的な意味の理解,これらの式に使用されている係数の同定等の適切な実験を行う必要がある. − 115 −の破壊開始因子の同定手法の開発 機械学習・深層学習の適用によるプレス打ち抜きにおける切断面
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