図7 相当塑性ひずみを付加したSS400のIPFマップ 図8 相当塑性ひずみを付加したSS400のKAMマップ 図9 SS400のKAM値と相当塑性ひずみとの関係 +0.4553°,Step数1.0μmでKAMave=0.0333ε+0.6426°,Step数1.5μmでKAMave=0.0409ε+0.8596°の関係式を得た. Step数0.5μmにおけるKAMマップの観察結果を示す.IPF同様に,Step数1.0μmおよび1.5μmとした場合のKAMマップも求めた.図の下部に平均のKAM値を示している.全てのStep数条件について,ひずみの増加にともなってKAMの値が増加した.さらにStep数の増加にともないKAMの値も増加した. 図6にA1070に対してKAMと相当塑性ひずみの関係を示した.KAMと相当塑性ひずみの間には正の相関があり,Step数が大きいほどKAMの値も大きくなった.図よりKAMと相当塑性ひずみの関係を直線近似して定式化し,Step数0.5μmでKAMave=0.0056ε+0.4935°,Step数1.0μmでKAMave=0.0095ε+0.522°,Step数1.5μmでKAMave=0.0124ε+0.5384°の関係式を得た. A1070の評価と同様に,SS400に対するStep数0.5μmにおけるIPFマップとKAMマップをそれぞれ図7,図8に示す.A1070同様に,SS400においてもひずみの増加にともなってKAMの値が増加した.さらにStep数の増加にともないKAMの値も増加した.これらの傾向は両材料で同様であった.結晶粒径の違いはあるものの,結晶格子型(2) A1070,SS400ともに,ひずみの増加にともなう規則的な結晶の変化は見られなかった.またStep数の変化にともなうIPマップの観察結果にも大きな変化は見られなかった. (3) A1070に対して,Step数0.5μmでKAMave=0.0056ε+0.4935°,Step数1.0μmでKAMave=0.0095ε+0.522°,Step数1.5μmでKAMave=0.0124ε+0.5384°の関係式を得た. (4) SS400に対して,Step数0.5μmでKAMave=0.0198εが異なる両材料のともに焼鈍し,相当塑性ひずみの付加による集合組織形成の特徴やKAMにおける転位密度の導入に関して,今回測定した範囲内(相当塑性ひずみの付加量,SEM-EBSDの観察倍率)では差異はなかった.図9にSS400に対するKAMと相当塑性ひずみの関係を示した.SS400でもA1070と同様に,KAMと相当塑性ひずみの間には正の相関があり,Step数が大きいほどKAM値も大きくなった.KAMと相当塑性ひずみの関係を直線近似して定式化し,Step数0.5μmでKAMave=0.0198ε+0.4553°,Step数1.0μmでKAMave=0.0333ε+0.6426°,Step数1.5μmでKAMave=0.0409ε+0.8596°の関係式を得た. 以上のように,KAMはStep数の変化に依存して値が異なることがわかる.これは材料に相当塑性ひずみを付加した時の結晶粒界近傍の転位密度と,その材料の平均結晶粒径,さらにはStep数に相関がある.本研究ではそれらの関係性まで調査および言及できなかったため,さらなる展開が必要であろう.今後,様々な材料や塑性加工法に対してKAMによるひずみの評価が行われることが予想される.本研究で得られた関係式がそのような場面での定量評価で使用されることを切に願っている. 4.結言 本研究では,KAM値と相当塑性ひずみの関係の定式化を目標として,A1070とSS400に対して引張試験による相当塑性ひずみの導入と,その後のSEM-EBSD観察およびOIMによるKAM値評価を行った.今回得られた結果は以下のとおりである. (1) 引張試験より,縦ひずみと横ひずみの和がおおよそ5%,10%,15%,20%,25%,30%の相当塑性ひずみを付加した試験片を製作した. − 113 −
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