天田財団_助成研究成果報告書2023_2
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図3 分析用試料および分析方法の模式図 図4 試験片の外観写真 観察面のSIM像を取得した. 元素分析には,電子プローブマイクロアナライザ(EPMA: Electron Probe Micro Analyzer / JXA-8530F,JEOL)を用いた.試料内部に窒素が導入される深さを調査するため,加速電圧を15 kVとし,分析用試料の断面の縁(図3(b)黒破線部)から内部に向かって,波長分散型X線分光法(WDS)で点分析を行った.分析は3つのラインに沿って実施し,分析点同士の間隔はLine1で0.75 µm,Line2では0.5 µmとした.Line3では,最初の10点を0.2 µm間隔,それ以降は0.5 µm間隔として分析を行った(図3(d)). 結晶相の同定にはX線回折(XRD: X ray diffraction)装置(SmartLab,リガク)を使用した.分析は図3(b)に示した円柱型の分析用試料の側面に対して行い,入射X線にはCuKα波(波長:0.154 nm)を用いた. 硬さ試験は,ナノインデンテーション試験機(ENT-NEXUS-KT,ELIONIX)を用い,試験荷重を2 mN,最大荷重保持時間を0.5 secとして実施した.分析用試料の断面(図3(b)青破線部)において3本の測定ラインを設け,これに沿って圧子を押し込み,硬さを求めた.このとき各測定点同士の間隔は7 µmとした(図3(e)). 3.実験結果 3・1 表面観察および表面粗さ測定結果 図4に試験片の外観写真を示す.SCP後の試験片の改質部には加工痕である条痕が形成され(同図(b)黒枠部),一部が変色している様子が観察された.図4(b)に示す赤枠部をデジタルマイクロスコープ(VHX-700,KEYENC)で拡大観察したところ,改質部の一部が黄金色に変色している様子が確認された(図4(c)).窒化チタン(TiN)は金色を示すことから,この変色した領域にはTiNが形成されている可能性がある. 改質部底面2・4 分析方法 改質後,表面性状の変化を調べるためにカラー3Dレーザ顕微鏡(VK-9700/9710,KEYENCE)を用いて,試験片の表面を観察した.また,表面観察で得られた三次元画像から表面粗さを測定し,算術平均粗さRaを求めた. 組織観察および元素分析を行うために分析用の試料を準備した.図3に分析用試料および分析方法の模式図を示す.SCP後の試験片の改質部から,ファインカッターで全長5 mm程度の分析用試料を切り出した(図3(a)).この分析用試料に対して,図3(b)に示すように,①断面組織観察,②元素分析,③X線回折法による結晶相の同定および④硬さ試験を行った. 断面組織観察には集束イオンビーム装置(FIB: Focused Ion Beam System / JEM-9320FIB,JEOL)を使用した.FIBによって分析用試料の断面の一部(図3(b)緑枠部)を掘り出し,観察面を創生した(図3(c)).そして,同装置でこの底面断面組織観察元素分析硬さ試験結晶相の同定− 108 −(a)分析用試料切り出しの模式図 (b)分析用試料の模式図 (c)断面観察の模式図 (e)ナノインデンテーション試験の条件 5 mm(d)元素分析の条件 (a)SCP前の試料の外観写真 (b)SCP後の試料の外観写真 (c)改質部拡大図

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