図7 引張応力に及ぼすの影響 メッシュサイズは0.045 mmとした。また、接合材に対し、接合方向の垂直断面における組織観察および接合面垂直方向の引張試験を行った。 大引張荷重はPの値によらず、ほぼ一定であることがわかる。図5には、P = 3の場合の最大主応力の分布を示す。図中の円で示す、アルミニウムが突起上面先端に引っ掛かる領域において、アルミニウムの引張強さを超える300 MPa以上の応力が局所的に負荷されていることから、この領域で変形・破断すると予想される。この局所応力部は突起先端部の円に沿って生じることから、単位面積当たりに占める突起先端円の周長を長くすれば、応力の局所化が抑制され、引張応力が上昇すると考えられる。突起先端円の周長を長くするためには、Pを小さくすること、もしくはを大きくすることで突起の数密度を増加させる必要がある。しかしながら、Pの低下は、突起間の隙間(図2のG)の狭小化による応力集中をもたらすことから、破断位置が突起間の隙間に移行するPの値が存在すると考えられる。また、の増加は、突起の数密度が増加する一方、アンカー効果は低下すると予想されるため、応力が最大となる値が存在すると考えられる。そこで、を45°に固定し、Pを変化させたときの引張応力を計算した。その結果を図6に示す。図より、引張応力は、Pが3 mmから低下するに伴い増加し、Pが2.4 mmで最大ピークを示した後、低下した。また、Pが2.2 mmにおいて、突起間の隙間(図2のG部近傍)で300 MPa以上の応力集中が確認され、この領域で変形・破断することが示唆された。以上のことから、P=2.4におけるG(この場合約0.29 mm)を維持することで、最大引張応力を引き出せると予想できる。次に、Gを0.29 mmで固定し、を変化させたときの引張応力の計算結果を図7に示す。図より、引張応力は、の増加とともに上昇し、が70°でピークを示した後、低下した。この結果から、が80°ではアンカー効果の低下によって突起の傾斜部ですべりが生じ、引張応力が低下したと考えられる。以上の結果より、図2に示す形状において、最大引張応力を示す形状は、 = 70、P = 1.5であることが数値解析によって導き出された。 3.2.接合材の特性評価 数値解析結果を基に、①P = 3.0/ = 45、②P = 2.7/ = 45、③P = 2.4/ = 45、④P = 2.3/ = 45、⑤P = 2.2/ = 45、⑥P = 1.5/ = 70、⑦P = 1.3/ = 80の7つの突起サンプルを作製し、FSWおよび引張試験を行った。図8に引張試験結果を示す。実験で得られた引張強度は、数値解析よりも4割ほど低い値となっているが、引張強 3. 実験結果 3.1.数値解析による最適形状の検討 まずはじめに、突起の間隔であるPが引張荷重に及ぼす影響を調査した。を45°とし、Pを3、6、9 mmに変化させたときの荷重変位曲線を図4に示す。図より、最度に対するPおよびの影響については、図6および7に示した数値解析結果と同じ傾向を示した。また、数値解析ではPが1.5 mm、が70°の突起において最大引張強度を示しており、実際の引張試験においても最大引張強度81 MPaを記録した。以上のことから、数値解析が突起設計に有効に活用できることを明らかにした。図9には、①P = 3.0/ = 45を用いた接合材の突起部の断面組 図4引張荷重におよぼすPの影響 図5 P = 3の時の最大主応力分布 図6 引張応力に及ぼすPの影響 − 104 −
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