天田財団_助成研究成果報告書2023_2
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めていたが、as-rolled材では低角粒界が多く存在していた。XRDを用いたラインプロファイル解析を行った結果、annealed材の転位密度は解析下限以下であったのに対し、as-rolled材の転位密度は1.97 × 1014 m−2となり、熱間圧延により転位密度が著しく増加したことが明らかとなった。 図2■各試料の組織変化:(a−c) annealed材、(d−f) as-rolled材、(a, d) IPF map、(b, e) IPF(RDに平行)、 図1■各試料のSEMによる組織観察結果(a)annealed図2にEBSDより得られた逆極点図(IPF)マップ、圧延方向に平行な面の逆極点図、misorientation angleの分布図を示す。両試料ともfcc構造のγ単相組織であり、hcp構造のε相は形成していなかったことから、熱間圧延プまた、試験部の直径を6 mm、長さ15 mmの疲労試験片に切り出し、応力比を0.1として室温にて疲労試験を行った。  ・■■耐食性の評価■0.9%NaCl水溶液を用い37 ℃にて動電位分極試験を行い、腐食挙動に及ぼす熱間加工組織や塑性ひずみ量の影響を調査した。また、JIS T0304の規格に準拠した、長さ30 mm、幅10 mm、厚さ1 mmの板材を作製し、表面を800番まで研磨した後、洗浄し、0.9%NaCl水溶液+1%乳酸溶液を用いて、37 ℃で7日間の条件でイオン溶出試験を行った。さらに、イオン溶出試験前後の試料表面をX線光電子分光(XPS)を用いて分析し、不動態皮膜の化学状態等を調査した。 3.研究成果 ■・■■■■■■■■■■材と■■■■■■■■■材の組織 図1にannealed材とas-rolled材のSEM観察結果を示す。両試料とも等軸状組織からなり、粒内には焼鈍双晶が観察された。また、平均結晶粒径は、annealed材が48.8 ± 1.5 μmだったのに対し、as-rolled材では4.2 ± 0.1 μmで、両試料で結晶粒径が1桁違うことが明らかとなった。なお、いずれの試料にも析出物は見られなかった。 ロセスにおける相変態は起こらなかったことが明らかとなった。また、いずれの試料も極点図における特定方位の集積度は低く、両試料で大きな違いは見られなかった。さらに、両試料とも焼鈍双晶が粒界全体の40−50%を占 − 100 − (c, f) Misorientation angle 分布 材、(b)as-rolled材

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