助成研究成果報告書Vol.35
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( RD ecnatcelfer ni noitcudeR8642)%0400す(3).ピラミッド構造は1〜10µmであり,この値を上式に代入し反射率を計算すると約20 %の低減になる.ゆえにピ10450500600550650Wavelength (nm)700750Measured23.5 nm40 nm60 nm800(3-3)(3-2)4.フェムト秒レーザによる微細構造形成図6反射率の低減量と波長の関係ラミッド構造が約20 %の低減に寄与していると考察される.一方, 微細構造の大きさが光の波長よりも小さい場合,拡散透過率TDは次式で表される.ここで,T0:表面構造(拡散+鏡面)透過率,srms:表面粗さ(二乗平均平方根高さ),n0,n1:表面を構成する材料の屈折率,l:光の波長,g:表面の高さ分布関数に依存するもので1.5〜3を示す.式(3-2)を反射率の低減量DRで表すととなる.p偏光,フルエンス0.5 J/cm2,照射パルス数100 pulsesで微細加工したシリコン太陽電池の反射率の低減量を式(3-3)を用い表面粗さ23.5 nm,40 nmおよび60 nmとして計算した.結果を図6に示す.実験は,表面粗さが23.5 nmとした時の計算結果と一致しており,波長500 nm近傍の反射率は微細構造の表面粗さに依存することが分かった.更に大きな表面荒さの構造が形成できれば,より大きな低減に繋がることを計算は示している.フェムト秒レーザ装置(IFRIT, CyberLaser,レーザ波長800nm,400nmレーザパルス幅150 fs,繰り返し周波数1 kHz)により微細構造形成実験を行った.実験では焦点距離100 mmのレンズで集光し,図2に示す入射角度で試料表面に照射した.CCD(1)を用いて照射位置でのビームを観察し,ビーム形状はガウシアン形状で,ビーム径は約25 µm(FWe-1M)であった.実験中のエネルギー安定度は約10 %図7(a)l=800 nm,F=0.15 J/cm2, N=100 pulses, (b)l=400 nm, F=0.10 J/cm2, N=1000pulsesであった.アブレーション閾値よりわずかに高いフルエンスに設定し表面に微細構造の形成を行った.形成された微細構造のSEM写真を図7に示す.いずれのレーザもアブレーション閾値近傍のフルエンスに設定することで微細構造が形成された.しかし.反射率を測定するには2cm×2cm四方に微細構造形成することが必要である.現状のレーザでは数日間連続して照射する必要があり現実的でない.目視では明らかに黒色化することがわかるが反射率低減の数値化には課題が残る.そこでまず,表面荒さから反射率低減を計算することにした.第2高調波(波長400 nm)と基本波(波長800 nm)のアブレーション閾値近傍のフルエンス(0.15J/cm2for800nm,0.10J/cm2for400nm)で1000 pulses照射するとシリコン表面に微細構造が形成され,それぞれ,表面粗さは80 nm,90 nmであった.反射率はこの表面粗さの数値を式(3-3)に代入し,式(3-3)のDRを用いて次式より計算した(3).結果を図8に示す.照射前のシリコンおよびシリコン太陽電池の反射率のスペクトル(測定値)は,それぞれ細実線と太実線で表す.第2高調波(波長400 nm)と基本波(波長800 nm)についてアブレーション閾値近傍で1000 pulses照射するとシリコン表面に微細構造が形成され,それぞれ,表面粗さは80 nm,と90 nmであった.この表面荒さから反射スペクトルを計算すると更に反射率が改善(低減)する.目視による観察では,波長400 nmのものが顕著に黒色化していた.波長800 nmの場合の黒色化は,波長400 nmに比して少なかった.これはSEM観察結果からピラミッド構造が一部消失し,ピラミッド構造による反射率の寄与− 95 −

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