2.実験方法 ・■超薄板ガラス試料の準備超薄板ガラスは薄ければ薄いほどたわみやすくなり、正確に加工することが困難になる。より厳しい条件での加工システムの有用性を評価するには、市場にある薄板ガラスよりも、薄くて表面の平坦さが優れる超薄板ガラスの作製が必要になる。従来の超薄板ガラスの製造では、フロート法やオーバーフロー法など高温で溶融させたガラスを引き延ばす方法が使われるが、ガラスを溶融させると、液体状のガラス自体の表面張力(粘性)によりシート形状を保つことが困難になり、薄さには限界があった。ガラスを薄くする最も一般的な手法は研磨であるが、厚みが■■μ■以下の薄膜ガラスを研磨するのは難しい。そこで報告者らはガラス軟化点(塑性変形可能な温度)よりも低温で、ガラスを延伸して薄くする方法の開発した(図3)。図3■■超薄板ガラスの製造と特性。厚み30μm、幅■■■■、長さのガラス板の両端をカーボン製のジグ(治具)に吊り下げる。反対側のホルダーには金属製の重りを取り付け、張力を調整し、作製するガラスの厚みを制御する。この状態で真空炉に入れ、加熱することでガラスが延伸し、超薄板ガラスが得られる。表面の粗さは ■■■以下の優れた平面特性が得られる。本開発手法で、厚みを市販のものより遥かに薄くすることができた(■■■■■■■■■μm) ■■■)。 ・ 超薄板ガラス加工装置の概要本研究では、再生増幅式の高強度フェムト秒レーザーを超薄板ガラスの微細加工に用いた。これにより高価な機械、長い加工時間、危険な化学薬品を要する複雑な工程からなる浅堀、深堀、切断、貫通■種類の加工を簡素化した。超薄板ガラスの微細加工で問題となる微小クラック発生や表面たわみを防ぎ、フェムト秒レーザー加工を実現するために2種類の技術を開発した。まずは、常に薄板ガラスの両端にテンション(張力)がかかるように、2つのピンチローラーで引っ張り構造を有するジグを設計・作製し、幅■■■■■■の薄板ガラスの固定と平坦性確保を実現した。さらに、加工に用いるフェムト秒レーザーの加工面への素早いフォーカシングを実現するため、従来の対物レンズよりも遥かに軽くて、微弱な力で駆動できるガラスレンズとレンズアレイを開発した。このレンズに充填された液体または空気に印加する圧力を変えることで、ミリ秒オーダーで ■■μmの焦点深度のフォーカススキャニングが実現できた。図4■■本加工システムの基本構成。フェムト秒レーザー、光学系(対物レンズ■自作レンズ)、電動ステージ駆動系、薄板ガラスの把持ジグで構成される。把持ジグはレコーダーテープの把持構造を参考に、サイズを小さくし、薄板ガラスへの把持を実現したものになる。自作レンズはガラスの熱膨張特性を利用したマイクロスケールのドーム構造作製手法で作製した。ドーム壁の肉厚が薄い(数マイクロメートル)ため、作成したレンズは極めて軽量である。更に、空洞の深さ、加熱の温度条件、時間、元の板材料の厚み、充填媒体を調整することによって、レンズの様々な特性が変更可能であり、加工目的に応じて柔軟な対応が可能な加工システムの構築が可能になった■■■■■■■)。− 90 −
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