助成研究成果報告書Vol.35
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1.研究の背景と目的キーワード:フェムト秒レーザー,超薄板ガラス,高精度加工■・■研究の背景ガラス材料は透明で熱や強度や化学反応に対して耐性がある特徴を活かし、高耐熱・高純度・高絶縁・高耐圧が求められる製造プロセス用途として、半導体をはじめ幅広い産業で使用されている。特に極めて薄い板ガラス(厚みは数マイクロメートルから数十マイクロメートル、薄板ガラスと言う)はディスプレイ、タッチカバー(高耐久)、指紋センサー(高い誘電率)、カメラモジュールカバー(高い透過率)、■■パッケージ(高帯域での低誘電損失)、薄膜バッテリー(化学的に安定、耐高温)などの応用において、極めて高い優位性を示し、今後の需要増加が期待されている1)。上記の分野の需要と潜在市場を重視し、近年各ガラスメーカーは薄板ガラスff厚みが■■μ■以下の板ガラス■の生産技術と生産能力向上に力を入れ、すでに国内外数社から市販されている。中には、厚みは■μ■の超薄板ガラスもある。ここまで薄くするとガラスは軽量なフィルム状になり、自在に曲げることができる。ガラス材料であるため、頑丈で電気性能、耐久性の優れ、且つ柔軟な設計のデバイスの作製が可能になる。しかし、従来のガラスの加工技術は、前処理、固定、洗浄などの加工手順が多く、ガラスに破損や不要なひび割れが発生するリスクが高いため、柔軟で薄いガラスの加工に適さない欠点があった。図1■超薄板ガラスは通常ガラスの特性を有する上に、応用可能な領域はさらに広い。■■■■加工実績を多数有する筆者らは、従来の■■■■技術で上記の厚み■■μ■以下の薄板ガラスの加工を試みたが、奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学領域准教授ヤリクンヤシャイラ(■■■■■■■■■■■■■■)( ■■■年度重点研究開発助成課題研究■■■ ■■■ ■ ■■■)図 のように試料がどうしても割れてしまう。その原因は、薄板ガラスに■■■■加工による小さいクラックが生じることで、構造上の弱点になることが顕微鏡観察から明らかとなった。クラックを基点とした破断が起き、柔軟性はともかく、元の形状さえ維持できなくなる。このため、低歩留まり、マイクロメートル精度の自在加工に対応できない問題点があった。超薄板ガラスの応用展開を実現するためにはクラックを防ぎ、高密度な微細構造加工が可能な新たな技術を開発する必要があった。図2■超薄板ガラスの加工における破損の原因。(■)■■■■技術により■■■■■■で 重成膜した超薄膜ガラスの写真。この時点では破損はみられない(b)ドライ、ウェットエッチングの工程で破壊された超薄板ガラスの写真。ff■■エッチング前のガラス表面の顕微写真。破損の原因となる微小クラックが確認できる。■・ 本助成研究の目的①超薄板ガラス加工の精度向上:空気中で薄板ガラスをマイクロから数十ナノメートルのスケールで加工できるように、従来の加工システムを改良する。②超薄板ガラス加工の応用開拓:開発する加工手法を用いて、超薄板ガラスの特徴を活かせる様々な応用開発を行い、さらなる加工手法の改良を図る。− 89 −フェムト秒レーザーを用いた超薄板ガラスのナノスケール加工とその応用

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