図14 1000℃熱処理材の疲労寿命 図13 熱処理温度による疲労特性の違い ■ 図15 900℃熱処理材の疲労寿命 図16に、図14, 15から得られるLife debit, ■・■■■■■■■鍛造シミュレータ鍛造・熱処理材の疲労特性■次に、引張試験で得られた強度の0.9を最大応力とした疲労試験を行った。歪み速度0.005/sについては、現在試験中であるため、歪み速度0.05/sおよび0.5/sについてのみ示す。また、全ての結果を1つのグラフにプロットすると結果が重なり、関係が見えなくなることから、図13には1000℃0.5/s鍛造材の900℃および1000℃熱処理材の結果について示す。また、疲労試験の条件が全て0.9であることから、縦軸には0.9ではなく、実際に試験を行った最大応力でプロットした。1000℃0.5/s鍛造材の900℃および1000℃熱処理材の組織は、図8に示すように、どちらもbi-modal組織であった。通常疲労寿命は104オーダーであり熱処理温度による違いはほとんどないと言える。一方で、Dwell疲労については熱処理温度により大きな違いが観察された。これについては、900℃熱処理材については等軸α相量が増えているという組織形態の違い、また、Dwell fatigueでは、最大応力で一定時間保持されることから、等軸α相の増加などの組織的な違いがより大きく効くと考えられる。さらに組織的要因を詳細に検討する必要がある。 次に、1000℃熱処理材の疲労試験の結果を図14に示す。図8, 9に示すように、1000℃熱処理材では、鍛造条件に関わらず、bi-modal組織を形成した。1000℃0.05/sのみ通常疲労もDwell疲労も他の鍛造材よりも寿命が短く、これについては理由が不明であるが、それ以外の鍛造材については、疲労試験のデータがばらつくことを考慮に入れると、通常疲労、Dwell疲労ともに、鍛造・熱処理条件の差は小さいと言える。1000℃熱処理により、鍛造中に導入された歪みが緩和され、熱処理後の組織形態もあまり変わらないため、疲労特性について差が出なかったと言える。 Life debit = Nnormal/Ndwell を示す。Life debitは通常疲労とDwell疲労寿命の比であり、小さい値を示すほど安全性が高い。 次に900℃熱処理材の疲労寿命を図15に示す。900℃熱処理材は、1000℃鍛造ではbi-modal組織が、900℃鍛造ではβ相球状化組織が形成された。通常疲労については104オーダーであり、これらの組織の違いはないと言える。一方で、Dwell fatigueについては、組織による差が大きく、940℃で鍛造したβ相球状化組織の寿命が長かった。1000℃熱処理材と比較すると、通常疲労の寿命はほとんど変わらないことから、通常疲労については、bi-modalやβ相球状化組織などの組織形態や残留していると思われる歪みの影響がほとんどないといえる。しかし、Dwell疲労の寿命は、900℃熱処理材は103オーダーであり、同じbi-modal組織で比較しても、1000℃で形成したbi-modal組織の疲労寿命(104オーダー)よりも1桁短く、組織形態だけでは説明できない違いがある。 これについても、等軸α相の増加などのさらに細かい組織的な違いなど詳細に調べる必要がある。 − 81 −
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