助成研究成果報告書Vol.35
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表4引抜き荷重の測定結果重荷重荷表5 ダイスの材質を変更して作製した無撚CNT糸の機重荷aaPPMM力力応応図9ダイス引抜き時の荷重-変位線図図10ダイスの材質を変更して作製した無撚CNT糸の代図9より,各試料の引抜き荷重は送り速度の増加に伴い急激に増加し,その後送り速度が一定となる変位20mm以降で収束することが確認出来る.変位20mmから100mmの範囲での引抜き荷重の平均値を表4に示す.表4より,ダイス径の縮小やダイス段数の増加に伴い引抜き荷重が増加することが確認された.また,図9 (b),(c)より引抜き荷重の収束以降も引抜き荷重が不規則に振動することが確認された.以上より,基板からCNTウェブを引き出す際にCNTが不規則に剥離することや,ダイスの段数の増加に伴って摩擦が増加することによって引抜き荷重がNm00Nm020Nm020 100増加することが示唆された.4・4ダイス材質の変更による影響の評価4・1~4・3節より,ダイス通過時の引き抜き荷重の減少に伴いCNT糸の機械的特性が向上する傾向が確認された.そこで,従来のセラミックダイスよりも表面平滑度が高いルビーダイス4)を用いることでCNT糸の強度向上を試みた.今回は内径25 μmのダイスを使用してウェブ幅8 mmの条件で紡績したCNT糸に対して機械的特性の評価を行った.その結果を表5に,代表的な応力ひずみ線図10にそれぞれ示す.サンプル名繊維径μm見かけ密度g/cm3形状係数m尺度係数σ0MPa破断荷重mN破断ひずみ%弾性率GPa実験結果より,ルビーダイスを使用して紡績したCNT糸の機械的特性が高いことが確認された.これは4・3節までの実験結果と同様の傾向であり,ダイス通過時の摩擦を軽減することで強度・弾性率の向上や繊維強度のバラつきの軽減が可能であることが示唆された.サンプル名械的特性表的な応力-ひずみ線図30020010050 [76]18 [76/51]18 [76/51/33]18403020104050 [web]18 [51]18 [33]184030201040 [web]18 [76]18 [76/51]18 [51]18 [76/51/33]18 [33]1810050変位mm(a) 全範囲608010060801001000750750500500250250 [C-25]8 [R-25]80.51.5(b) 20 –100 mm(c) 20 –100 mm変位mm変位mm[76/51/33]18[web]18[76]18[76/51]18[51]18[33]18[C-25]825.5 (0.51)0.52918.7782389 (22.1)1.10 (0.073)77.8 (3.18)ひずみ %ひずみ%引抜き荷重mN11.1 (4.42)13.3 (5.81)15.1 (5.10)14.1 (5.19)23.8 (5.64)17.7 (5.49)[R-25]825.5 (0.31)0.55520.1862422 (22.3)1.13 (0.080)82.5 (5.81)− 74 −

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