助成研究成果報告書Vol.35
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図3FE-SEMによる無撚CNT糸の側面観察結果図3より,[76/51/33]18の表面は比較的滑らかであるのに対して,[33]18の表面にはCNT束のほつれが観察された.このことから,ダイスを複数用いることで繊維表面を均一化できることが示唆された.図5引抜き荷重の測定方法図4FE-SEMによる無撚CNT糸の断面観察結果ln=in1P1−f図4に,FE-SEMによる無撚CNT糸の断面観察の結果を示す.ここで,無撚CNT糸の断面はクロスセクションポリッシャ(IB-09020CP, JEOL)を用いて作製した.観察結果より,無撚CNT糸の断面形状はどちらも真円に近い形状になっていることが確認された.また,図5(b), (d)を比較すると,[76/51/33]18は[33]18よりも多くの空隙を有していることが確認された.0−+==mmm0Pf3.評価方法2・3■■■■■■■■溶液処理図5より,ダイス成形のみではCNT糸内部の空隙は多く残っており,高密度化が十分であるとは言い難い.そこでPAA/DMSO溶液に対してCNT糸を浸漬・乾燥させることにより,CNT糸の高密度化・高強度化を行う3).ここで,PAAの濃度は5wt%とし,CNT糸を溶液に対して20 °C/3 hの条件で浸漬させて処理を行った.3・1機械的特性評価無撚CNT糸の機械的特性評価を目的として,見かけ密度の算出および単繊維引張試験を行った.見かけ密度の算出はレーザスキャンマイクロメータを用いて繊維径を測定し,繊維断面が真円であることを仮定して繊維断面積を算出した後,マイクロ天秤で質量を測定することで行った.単繊維引張試験はJIS-R7606を参考とし精密万能試験機(AG-100 N Xplus, Shimadzu)を用いて標点間距離25 mm,試験速度0.2 mm/minで実施した.尚,繊維強度の評価にはバラつきを考慮したワイブル分布を用いた.ワイブル分布は,式(1)に示すメジアンランク法による累積破断確率Pfを用いて,式(2)のように表される.ここで,i:要素番号,n: 要素数,m: 形状係数,σ0: 尺度係数,σ: 各試験片の引張強度である.形状係数mは強度のばらつきを表し,形状係数mが大きいほど強度のばらつきが小さいと見なすことが出来る.また,尺度係数σ0を繊維強度として扱う.3・2ダイス引抜き荷重の測定無撚CNT糸のダイス引抜き成形の影響を評価するために,図5に示すように精密万能試験機を用いて引抜き荷重の測定を行った.この時,試験機の送り速度は1000 mm/minとした.ダイス−lnln(a) 正面図0.30.4lnlnCNT糸CNT基板 (b) 側面図(a) [76/51/33]18(×2,000) (b) [76/51/33]18(×30,000)(c) [33]18(×2,000) (d) [33]18(×10,000)(a) [76/51/33]18(×2,000) (b) [76/51/33]18(×30,000)(c) [33]18(×2,000) (d) [33]18(×10,000)(1)(2)− 72 −

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