表1 ダイス諸元図2無撚CNT糸の紡績方法図3に,FE-SEM(JSM 6500F, JEOL)を用いた無撚CNT糸の側面観察の結果を示す.ここで,作製した無撚CNT糸を[ダイス径µm]18として示す.幅ブェウTNC1.研究の目的と背景2.供試材料キーワード:カーボンナノチューブ,引抜き成形,高強度化カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube : CNT)は比強度,比剛性に優れたナノ材料であり,繊維強化プラスチック等の複合材料への応用が期待されている.触媒担持化学気相成長法を用いてSi基板上にCNTを垂直に成長させたCNTアレイから繊維状のCNT糸を紡績する方法として,ピンセット等を用いて基板から引き出したウェブ状のCNTに撚りをかけながら引き出して成形する方法が広く研究されている.一般に,CNT糸の高強度化には密度と配向性の向上が必要であるが,上記の方法で作製したCNT撚糸の表面には配向角が存在しており,高密度化に伴い配向角が増加し配向性が低下するという問題がある.このことから,基板から引き出したCNTウェブに撚りをかけずに円筒状のダイス1)に通して引抜き加工の要領で成形することで繊維表面に配向角の存在しないCNT糸である無撚CNT糸が作製可能であり,従来のCNT撚糸と比較して高い配向性と強度を持つことが確認されている2).しかし,無撚CNT糸の強度は既存の炭素繊維には遠く及ばないため,更なる高強度化方法の検討が必要である.無撚CNT糸の問題点として,ダイスによる引抜き成形が無撚CNT糸の強度に与える影響が未解明であることや,無撚CNT糸内部には空隙が多く存在することが挙げられる.そこで,ダイスによる引抜き成形が無撚CNT糸の強度に与える影響を解明し,新たな高強度化手法を検討することを本研究の目的とする.具体的には,無撚CNT糸の紡績時に用いるダイスの段数や材質を変更して無撚CNT糸の紡績を行い,それらの機械的特性の比較を行った.また,無撚CNT糸の高密度化を目的としてポリアクリル酸(PAA)ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を用いた溶液処理3)を行った.2・1無撚■■■糸の紡績に用いるダイスについて本研究では無撚CNT糸の紡績用のダイスとして,プリント基板の接続等のワイヤーボンディングで使用されるキャピラリ(1)を用いた.表1に使用するダイスの諸元を,図1に内径76μmのダイスの概形をそれぞれ示す.ここで,図1に示したダイスの寸法は,ダイス径を除いて各ダイスにおいて全て同一である.尚,ダイスの内径には±2.5 μm程度の誤差があるため,本研究では各内径について同一のダイスを用いた.早稲田大学理工学術院基幹理工学部機械科学航空学科( ■■■年度重点研究開発助成課題研究■■■ ■■■■■ ■■■)教授川田宏之製造元製造番号1570-(13,20,30)-437P-CZ1ダイス径33, 51, 76μmコーン角30 °材質2・2無撚■■■糸の作製以前の研究2)では,径の異なる複数のダイスを用いて徐々に繊維径を小さくしながら無撚CNT糸の紡績を行ってきた.しかし,ダイス数の変化による無撚CNT糸の機械的性質への影響は未解明である.そこで,幅18mmのCNTウェブに対して通過させるダイスの個数を1段(内径φ33 µm),3段(内径φ76 µm,51 µm, 33 µm)と変更して,無撚CNT糸を作製した.無撚CNT糸の作製概略図を図2に示す.また,引抜き速度は1000 mm/minで一定とした.クアーズテックジルコニア強化アルミナセラミックス単位: mm図1ダイス形状(1)引抜き方向無撚CNT糸φ0.76φ1.5811.1CNTウェブウェブφ0.076CNT基板ダイス■■■°− 71 −引抜き成形を用いたカーボンナノチューブ繊維の高強度化
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