4.2 入れ子の昇温試験(マルエージング鋼) 図17に示す金型入れ子を組立て過熱水蒸気発生装置(トクデン製 UPSS-W20H)に接続し,流動試験を実施した.装置のセットアップ状態を図18に示す.蒸気の入口は両端,出口は左側である.図20に示すサーモカメラの画像でも分かるように,入れ子の中央部分に中々蒸気が入っ図15に蒸気の流線および,600秒加熱時の金型表面温度分布の結果を示す.同図に示す通り,蒸気入口の位置図19. 分割の継ぎ目を耐熱パテにて処理 図16. マルエージング鋼分割構造入れ子 図21. マルエージング鋼分割入れ子パテ処理の昇温カーブ 図18. 過熱水蒸気流動試験セットアップ状態(入口両端) abcdefghi0abcdefghi0図20. マルエージング鋼分割入れ子パテ処理(入口両端) 図17. □250 mmマルエージング鋼分割構造入れ子 ))℃℃((度度温温面面表表TTiimmee((sseecc..))について中央は平均温度も低く,温度のばらつきが大きく,両端が最もばらつきが小さくなった.よって,蒸気の入口の位置は,両端が最も優れていると考えられる. 前項でCAEによる蒸気入口および出口の設計指針が得られたことから,実際に金型入れ子を造形し,過熱水蒸気による昇温試験およびCAE解析結果との比較を行った.大型の金属AM機で造形可能な最大寸法は□600 mmであるため,大型成形品の成形を想定すると金型入れ子が分割構造になることが予想される.そこで,□250 mmの平板成形用金型について福井県工業技術センターの協力の下,CAE解析との比較を行えるように図16のような6分割構造の入れ子を設計し,松浦機械製作所製 LUMEX Avance-25により造形した.使用しない入口は蓋をする設計である.図17に造形した部品の一部を示す. て行かず,温度分布に分割の境界が明瞭に見える.また,蒸気を流し始めて2分後ぐらいから,漏れ始めた蒸気が入れ子表面で結露し,結露の影響によって温度が上がらないことが判った.そこで,図19に示すように分割の継ぎ目を耐熱パテで埋め,蒸気流動試験を実施した.図20に蒸気流動試験の結果を,図21に昇温カーブを示す.蒸気漏れを防止することにより,昇温速度,到達温度,冷却速度全てにおいて,大幅に改善された.しかし,b, e, g, h, iの領域は,目標成形温度270 ℃に到達していない.これは,分割部分の熱抵抗の影響であると推測される.以上の結果,入れ子を分割構造にする場合は,過熱水蒸気が漏れないような分割入れ子の接合方法を開発する必要があることが判った. 蒸気入口蒸気出口蒸気入口35030025020015010050− 63 −50010001500200025003000上段:CAE,下段:表面温度分布
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