4. 金型構造の検討 3.2 CAE解析モデルおよび解析条件の検討 図11にモデル金型の表面温度分布の例を示す.スタート後3分20秒で金型入り口温度270 ℃,6分で350 ℃に到達,15分経過後,供給蒸気温度を150 ℃に下げると17分で熱伝導により約270 ℃でほぼ均一になった.しかしながら,蒸気入口が1ヶ所では,短時間で温度分布を均図13. 口金の横幅の影響解析の例 図11. モデル金型の表面温度分布の例 図14. 蒸気の出入口の形状および寸法 図15. 蒸気入口の位置による影響 図12. □250 mm平板金型(雄型)の解析モデル CAE解析ソフトには,Ansys CFXを使用した.厳密な解析を行うためには,蒸気の状態変化の考慮,ラティスプレス成形機に金型を設置し,蒸気配管を行うことを想定すると,プレス機の前面には安全装置としてエリアセンサーがあり,背面には熱盤のヒータ配線や冷却水の配管があるため,前面や背面からの蒸気配管を行うことは出来ない.必然的にプレス機の右側から蒸気を供給し,左側から排出する設計になる.これらの制約条件の下で,蒸気の供給口,排出口の最適化を行うため,実験およびCAE解析を実施した. 4.1 CAE解析による蒸気入口,出口の検討 蒸気の排出はプレス機正面から見て左側から排出する前提で,まずは蒸気出口寸法の影響を解析した.出口の横幅60 mmと200 mmで比較を行ったが,平均表面温度も温度分散も大きな差は無かった.そこで出口の横幅は温度分散がわずかに小さい60 mmとした.入口および出口の形状を図14のように決定し,図15に3種類のパターンについて解析を行った結果を示す. 一にすることは困難であることが判った.この実験結果に基づいてCAE解析モデルを検討した. のモデル化等が必要である.しかし,今回は蒸気の供給・排出位置による蒸気の流動状態,金型表面温度分布の予測を主眼におき,モデルの簡略化や計算時間の短縮化を図るため種々の仮定の下での解析とした.図12に解析モデルを示す.左右対称であるため,1/2対称モデルとした. 過熱水蒸気はCFX内の物質データにある“Water Ideal Gas”に従う流体と考え,100 ℃以下になった場合の凝縮は無視した.蒸気の流路はラティス構造であるが,モデルを簡略化するためPorousモデルとし,空隙率は0.93とした.その他いくつかのパラメータを変えて何度か計算を行い,図11左側の温度分布が再現される計算条件を見い出した.CFXの計算式により,平均表面温度をareaAve(Temperature)@Die wall surface,温度分散をareaAve((Temperature-varTmean)^2)@Die wall surfaceにより求めた. 蒸気入口の口金の厚さを10 mmとし,口金の横幅を15, 65, 120 mmと変化させた場合の解析例を図13に示す.モデルでは切りの良い数値にしたが,実際の口金寸法は厚さ12.66 mm,横幅117 mmである.解析結果として蒸気の流線および,600秒加熱時の金型表面温度分布の結果を示した.図11の実験結果と比較すると温度分布は定性的に一致していることが判る.実験では平均表面温度を求めることは出来ないが,解析結果の温度チャートでは入口近傍の温度は315 ℃となっており,昇温速度には若干のずれがある.しかし,本解析の目的は蒸気の供給・排出位置の設計,予測される金型表面温度分布の解析であるので,本解析モデルにより設計を進めることとした. − 62 −
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