2.金型のH&C技術の基礎検討 図1. スタンピング成形の概念図 図2. 金型構造の比較 図3. シェル構造のヒントとなった金属造形物 (松浦機械製作所製 LUMEX Avance-25により造形) ブブラランンククブブラランンクク赤赤外外線線等等のの加加熱熱装装置置ででブブラランンククをを樹樹脂脂のの融融点点以以上上にに加加熱熱しし、、ママトトリリッッククスス樹樹脂脂をを溶溶融融ささせせるる。。ホホッットトホホッットトブブラランンククブブラランンクク成成形形品品成成形形品品加加熱熱装装置置加加熱熱装装置置ププレレスス機機ププレレスス機機従来の金型構造:熱容量大→急速加熱冷却困難− 59 −シェル構造の金型:熱容量小→急速加熱冷却可能1.研究の目的と背景 福井大学 産学官連携本部 (平成29年度 重点研究開発助成B 課題研究 AF-2017003) 特命准教授 山根 正睦 樹脂の融点以上まで急速加熱した後,急速冷却可能であり,かつ,複雑形状にも対応出来るH&C技術は,現状では開発されていない. 本研究では,熱可塑性CFRPを普及させるための大きな課題である低コスト化を目的とし,金型のH&C技術により板状材料への加工工程を省き,熱可塑性プリプレグからダイレクトに成形品を製造する成形プロセスを開発する. 従来の金型構造は,ヒータあるいは熱媒体を通す配管を内蔵した構造となっている.この構造では金型の熱容量が大きいため,急速加熱冷却を行うことは原理的に困難である.また,プレス成形用の金型は雄雌の嵌合型であるために,複雑な形状や深い形状の成形面の近傍にヒータや配管を設置するには,加工が煩雑になり金型コストの上昇を招く.この問題を解決するために,金型の熱容量を小さくできるシェル構造の金型を検討した(図2).金型をシェル構造にするための方策として,近年その発展がめざましい金属積層造形(金属AM)に着目した.また,熱可塑性CFRPに使用される樹脂には,成形温度が400 ℃を超えるものもあることを考慮し,現存する熱媒体の中でも極めて高温であり,かつ,クリーンな熱媒体として過熱水蒸気を選定した. 2.1 シェル構造の着想 金属AMでは造形物をサポートで支え,最終的にサポートは除去される.そのため,サポートの形状は単純な構造であり,除去しやすい肉厚で造形されることが多い. キーワード:熱可塑性CFRP,急速加熱冷却(H&C)成形,金属積層造形 熱可塑性CFRPの代表的な成形方法は,板状の成形材料を赤外線ヒータ等で加熱溶融し,マトリックスである熱可塑性樹脂の融点より低い温度の金型に投入してプレス成形を行うスタンピング成形である(図1).成形サイクルが1分程度であることから,大量生産に適しており,強度・弾性率・耐衝撃性に優れた成形品が得られるため,自動車の軽量化技術として注目されている.しかしながら,高い成形圧力(15~30 MPa)が必要であるため,自動車のボンネット程度の大きさの成形品でも,出力が2000~3000トンの大型プレス機が必要であり,このクラスの大型プレス機(複合材料の成形は油圧プレス機)を所有する成形メーカーは非常に少ない.大型プレス機を新たに導入するには巨額な設備投資となり,中小企業が多い成形業界においてサプライチェーンを拡大することは困難である1). 従って,熱可塑性CFRP の用途拡大のためには,大型プレス機を必要としない低圧で成形可能な成形システムの開発が望まれる.低圧で熱可塑性CFRPを成形するためには,板状の成形材料を使用せず,プリプレグから直接成形品を製造する方法がある.航空機業界においては,従来の熱硬化性CFRPと同様に成形型の上に熱可塑性CFRPのプリプレグを積層し,オートクレーブ成形によって製造されている.その成形圧力はスタンピング成形に比較して低い圧力(2 MPa程度)である.しかし,オートクレーブ成形は成形サイクルが極めて長く(一般的には8時間),一般産業用途には適用出来ない. プレス成形において熱可塑性プリプレグから直接成形品を得るためには,金型温度を熱可塑性樹脂の融点以上の温度に昇温し,成形後,脱型できる温度にまで冷却する必要がある.熱可塑性CFRPを広く一般産業用途に展開するためには,成形サイクルの観点から金型の急速加熱冷却(H&C)技術が必要であるが,金型全体を熱可塑性熱可塑性CFRPの急速加熱冷却成形プロセスの解明と実用展開
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