助成研究成果報告書Vol.35
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図4レーザの偏光に対して垂直な方向に形成された、レーザ波長の0.75倍程度のLIPSS図2にCVD-SiCセラミックスと焼結SiCセラミックスのアブレーション率のフルーエンス依存性を示す。いずれのSiCセラミックスもフルーエンスが30-40 J/cm2ではアブレーション率のばらつきが大きく、フルーエンスに図3CVD-SiCセラミックスに形成された照射痕の共焦点レーザ顕微鏡観察輝度像。スケールは各画像で共通(a)22 J/cm2、30回照射(b)9.2 J/cm2、100回照射(c)5.3 J/cm2、100回照射(d)3.2 J/cm2、200回照射(e)2.7 J/cm2、200回照射(e)1.6 J/cm2、400回照射図3にCVD-SiCセラミックスに形成された照射痕を、共焦点レーザ顕微鏡を用いて観察した輝度画像を示す。なお、焼結SiCセラミックスにも同様の照射痕が形成されていた。アブレーション率の傾きが大きい高フルーエンス領域では、図3(a)のように溶けて固まったような領域が支配的で照射痕全面が明るい。フルーエンスが下がるに図2焼結SiCセラミックスとCVD-SiCセラミックスにおけるアブレーション率のフルーエンス依存性3.実験結果・考察対してほぼ横ばいとなっていた。そこからフルーエンスが下がるとともにアブレーション率も急激に低下していくが、15 J/cm2付近でアブレーション率の傾きが緩やかになり、3J/cm2まではいずれのSiCセラミックスもフルーエンスに対して同様のアブレーション率で低下していった。しかし、3J/cm2以下ではアブレーション率が増加に転じ、焼結SiCセラミックスがCVD-SiCセラミックスよりも高いアブレーション率を示した。さらにフルーエンスを下げていくと、焼結SiCセラミックスは1.1-2.0J/cm2の間でアブレーション率が一定となるが、1.1J/cm2以下になるとフルーエンスとともに再びアブレーション率が低下していった。照射部に変化が起こらないアブレーション閾値は0.53J/cm2となった。一方、CVD-SiCセラミックスの場合は、2.0J/cm2以下になると照射痕が形成されるときとされないときに分かれた。照射痕が形成されるときのアブレーション率は、焼結SiCセラミックスと同様にフルーエンスの変化に対してほぼ一定となった。1.4J/cm2以下では照射痕が形成されず、焼結SiCセラミックスのようなフルーエンス低下に伴いアブレーション率が減少していく変化は見られなかった。つれて溶けたような明るい領域が中央に寄って狭くなっていく様子が見て取れる。照射フルーエンスが強いところで輝度が高くなっていることから、輝度が高い領域は熱による影響を受けているのではないかと考えられる。また、輝度の高い領域の外側には図4に見られるようなレーザの偏光に垂直な方向に周期的溝構造を持つレーザ誘起表面周期構造(Laser induced periodic surface stracture:LIPSS)が形成されており、アブレーション率がほぼ一定となる1.1-2.0J/cm2ではほぼ全面にわたってLIPSSが形成されていた。LIPSSの周期は約800 nmと、レーザ波− 436 −

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