図5集光レーザー走査型CVD装置の外観写真図3レーザーCVDにより1180 ºCで合成したZrCN膜のイオンミリング加工後の断面SEM像図4レーザーCVDにより1180 ºCで合成したZrCN膜の断面STEM像:(a) 低倍率HAADF像,(b) 制限視野電子線回折像,(c) 高倍率HAADF像,および(d) 高倍率ABF像色部は遊離炭素であることが示唆された.したがって,本研究でレーザーCVDにより成長したZrCN膜中にはZrCN–Cナノコンポジット構造が形成されたものと考えられる.■・ 集光レーザー走査型■■■機構・技術の構築前節3.1ではレーザーを比較的広域に照射してCVDよるZrCNの形成挙動や構造を明らかにしたが,本節では集光レーザー照射・走査下での気相成長を行うための装置機構(集光レーザー走査型CVD装置)を構築し,ZrCN描画技術に展開するため,CVD技術が確立しているSiCを対象とした原理検証試験を行った.本研究で構築した集光レーザー走査型CVD装置の外観を図5に示す.CVD反応炉の上部にガルバノスキャナーを備え,Nd:YAGレーザー(波長1060 nm, 最大照射強度20 W)はガルバノスキャナーおよび合成石英窓を通して,反応炉内のホットステージ上の基板表面に集光・照射される(照射径は基板上で0.1–0.2 mm).レーザー光は,PC制御のガルバノスキャナーにより基板表面で走査でき,その走査速度5–5000 mm s–1である.CVD原料は反応炉の左上部のノズルより輸送ガスとともに導入され,右のポートに接続される油回転式ポンプを通して排気される.本装置を用いて集光レーザー照射・走査下でのSiCの気相成長を試みた.SiC原料にはStarfire製のCVD-4000を用いた.原料は原料炉にて120 ºCに加熱し,原料蒸気をArキャリアガス(8.33×10-7m3s–1)により反応炉に輸送した.基材はSi (100)ウエハーとし,反応炉中のステージにて予備加熱(~500 ºC)した.合成石英窓を通して成膜室内の基材表面にレーザー光を照射し,一方向に複数回(走査数)走査することにより線状に成膜した(照射スポット径:約0.1mm).成膜中の炉内圧力は500 Paとし,レーザー光の走査速度は5–2500 mms–1,レーザーパワー強度は50–255 kWcm–2とし,スキャン数は50–200回とした.高レーザー強度かつ低走査速度ではSi基材に溶融痕が形成し,低レーザー強度かつ高走査速度ではSiCの成膜は認められなかった.レーザー強度58.6 kWcm–2,走査速度25 mms–1および走査数200回で成膜したSiCの微細組織と外観写真を図6に示す.成膜後の外観観察では線状の描画が目視でき(図6(a)左下図),線幅が約50 μmのSiC膜が形成された(図6(a)).線状SiC膜の表面は100 nm以下の粒が緻密に詰まった微細な粒状組織が形成された(図6(b)).レーザーパワー強度94.2 kWcm–2,走査速度5 mm/sおよび走査数50回で成膜したSiCの断面微細構造を図7に示す.線状SiC膜は中心付近で厚く,約2 μmであった(図7(a)).図7(b)は線状SiC膜の中心付近のTEM明視野像であり,緻密質なSiCがSi基材直上から成長したことを確認した.制限視野電子線回折像ではβ-SiCに由来する同心円状のデバイ・シェラー環とともにスポットが現れ,部分的に配向成長した.このように本節では,集光レーザー走査型CVD装置によりセラミックスの線状成膜が可能であることを実証した.■・■集光レーザー走査型■■■による■■■■の線描画前節までにレーザーCVDよるZrCNの気相成長に成功し,集光レーザー走査による気相成長セラミックスの微細描画技術を構築した.これらの要素技術を組み合わせることで集光レーザー走査型CVD装置を用いたZrCNの線描画をSi3N4基材上に試みた.− 413 −
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