3・3 レーザーによるセラミック基板とアルミニウム粉末接合の試行 図6に照射後の試料の外観を示す。照射された部分のみ表面が黒色化していた。この部分を実体顕微鏡で観察すると、盛り上がった銀色のドットと黒色化した帯の部分が観測された。また、盛り上がった部分の表面は銀白色であり、盛り上がった部分同士の狭間で黒色化していることが判明した。基板上にはポリシロキサンをコーティングしており、かつアルゴン雰囲気下にて加熱されたことから、この黒色はポリシロキサン由来と推測される。 図6 レーザー照射によるアルミナ基板上へのアルミニウ図7レーザー照射にて接合したアルミニウム粒子とアルミナ基板の断面SEM像(左)およびEDS分析結果(右) この照射部分のSEM断面像およびEDS分析結果を図7に示す。盛り上がった半球部分内部からはAlのみが強く検出されたことから、この半球部分は溶融したアルミニウム粒子と推測された。また、アルミニウム粒子間では、厚さ10µm程度のアルミニウムの強いピークのみを有する層が観測された。用意したアルミニウムの粒径は50µm以上であることから、溶融したアルミニウム粒子がアルミナ基板表面を伝い、基板上に広がったものと推測される。この溶融アルミニウムがアルミナ表面を伝う現象は、3.1の結果と一致する。アルミニウム粒子とアルミナ基板の接合界面はEDS分析における酸素量で判別可能であり、この接合界面においてクラック等の接合欠陥は確認されなかった。しかし、アルミナ基板内部において、亀裂が観測された。照射部分は瞬間的に1000℃を超える事が知られており、レーザーで加熱された溶融アルミニウムとアルミナ基板における熱膨張係数差により生じた熱応力により破損しークが多く観測された(図4)。また、スラリーの焼結前後における体積収縮率は約1%であった。このことから、本試料は体積収縮を殆ど伴うこと無くムライトにて粒子間が結合した焼結体であることが示唆された。 3・2 セラミックブロックとアルミニウムブロックにおける短時間接合の試行 700~950℃で加熱された全ての試料において、アルミニウム棒に変形が生じた。これは純アルミニウムの融点を超えた温度域に暴露したためであり、短時間加熱でも純アルミニウムに変形が起こり得ることが示唆された。 表1に平均剪断強度結果を示す。700~750℃で加熱した場合、剪断応力強度は最大でも5MPa未満であったが、800~850℃の場合で平均5~10MPa、900℃で平均23.8MPa、950℃で平均26.4MPaであり、接合時の温度が上昇するにつれて急速に上昇した。 表1 接合試料の接合温度別平均剪断強度 図5にJIS G 0601:2012準拠における剪断試験後の試料破断面写真を示す破断部分を観察したところ、700~750℃ではアルミナ表面にアルミニウムの残存が少なく、アルミナの接合部分が露出していた (図5左)。800℃以上ではアルミナブロックにアルミニウム層が大量に付着しており(図5中央)、900℃以上ではアルミナが抉れていた(図5右)。このことから、700~750℃で接合した試料は接合層であるアルミノシリケート層、800℃以上ではアルミニウム内部、900℃以上ではアルミナブロック内部にて破断が発生したと考えられる。アルミニウムおよびアルミナの破断発生箇所と加熱温度の関連性については、現在調査中である。 図5 試料破断面の写真 ム粒子接合の結果 − 405 −
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