助成研究成果報告書Vol.35
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キーワード:接合,セラミックス,アルミニウム ② セラミックブロックとアルミニウムブロックにおける③ レーザーによるセラミック基板とアルミニウム粉末接(ポリシロキサン1.研究の目的と背景 2・1 有機ケイ素系ポリマーをコーティングしたセラミックス粉末とアルミニウム粉末の水系スラリー焼結 図1に本実験の概要を示す。平均粒径30µmのアルミナ粒子(WA#400、フジミインコーポレーテッド製)100gに対し、ポリシロキサン(YR3370、モメンティブパフォーマンスジャパン製)を2.15g加えてエタノール溶媒中に分散・溶解し、その後溶媒を飛ばしてアルミナ粒子表面にポリシロキサンのコーティングを行った。これらの重量比は、アルミナ粒子表面に1µm厚のポリマーコーティングが可能な量を算出して決定した。 このコーティング済みアルミナ粒子82gに対して平均粒径25µmのアルミニウム粒子(#350M、ミナルコ製)を18g混合し、適量の水と分散剤(OLFINE® PD-002W、日信化学工業株式会社製)を適量混合してスラリーを作製した。このアルミナ粒子とアルミニウム粒子の重量比は、アルミナとアルミニウムの体積比が3:1となるように設定した。 このスラリーをプラスチック製の容器に流し込み、一晩おいて硬化した後に容器から取り出し、大気中150℃で4時間加熱して十分に乾燥させた後、大気中800、1200℃、1600℃で1h加熱して焼結体を作製した。それら焼成後の試料において、SEM/EDS (JEM-5600/JEM-2100, 日本電子(株)製)やXRD(RINT 2500、(株)リガク製)等による観察および組成分析を行った。 2・2 セラミックブロックとアルミニウムブロックにおける短時間接合の試行 図2に試料および試料作製条件の概要を示す。まず始めに、純度99%以上のアルミナブロックを、JIS G 0601:2012準拠であるサイズ(55 x 25 x 21mmt)に切り出し、そのブロックのうち1面(55 x 25)を鏡面研磨した。次に、アルミナブロックをポリシロキサン(KF-54、信越化学製)にデスマートグリッドや省エネ型インバーター等の高効率な電力制御技術を可能とするパワーデバイスへの需要は、2030年以降施行予定のガソリン車新規販売禁止政策を背景として急上昇しており、日本再興戦略(2015年改訂版)においても、2030年にはパワーデバイス市場が約3.5倍(2015年比)まで拡大すると試算されている。 パワーデバイスにおいて金属とセラミックス基板を接合するメタライズ技術は極めて重要であり、基板上への配線やボンディングポイント設置等に利用される。1 現在は良好な熱伝導性を有する金属ろう付け接合法が主流であるが、高環境負荷なハロゲン系フラックスが必須である上に高真空環境下にて多段工程が可能な専用装置が必要であり、製造コストが問題となる。2-4 筆者は、有機ケイ素系ポリマーの塗布と不活性雰囲気下での加熱のみによる「アルミニウムとセラミックスの接合技術」を開発した。セラミック繊維や薄膜の製造に利用されている有機ケイ素系ポリマーの熱分解時に活性なラジカルやイオンを生成する現象に着目し、それらを金属表面の還元・破壊および強固なボンディングに活用することにより、金属とセラミックスが接合可能となる。5 本技術ではポリマーの塗布と加熱のみで高強度接合が可能である上、接合層厚が最小で数ナノメートルと極めて薄く、熱伝導率が極めて良好である。6 従来は電気炉内加熱にて上記接合技術を実行していたが、アルミニウムとセラミックスの熱膨張係数差由来の熱応力等により、接合不良や試料の破損が発生する問題点も有していた。ここで接合用の加熱源をレーザーに変更可能であれば常温下にて接合が可能であり、上記問題点の解消のみならず、基板への直接配線描画や3次元造形等の新規製造技術への応用が見込める。 本研究の目的は、上記技術において加熱源にレーザーを適用する為の基礎的知見の蓄積である。具体的には以下の内容が実行可能な条件の探索および接合体(焼結体)の特性(組成)調査である。 ① 有機ケイ素系ポリマーをコーティングしたセラミックス粉末とアルミニウム粉末の水系スラリー焼結 短時間接合の試行 合の試行 産業技術総合研究所 マルチマテリアル研究部門 (2018年度 奨励研究助成(若手研究者) AF-2018233-C2) 主任研究員 北 憲一郎 2.実験方法 図1 スラリー作製および焼結方法 アルミニウムアルミナコート済)分散剤含有水スラリー乾燥焼結(150°C4h)(800〜1600°C1h)− 403 −レーザー照射によるアルミニウムとセラミック基板の接合

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