助成研究成果報告書Vol.35
404/462

mμ( tmμ( thgeHhgeH図10■PCフィルムの加工断面プロファイル 図9■PCフィルムの加工痕の光学顕微鏡像と高さ分布 )i)i050500△×〇 ■約40 cm-1約160 cm-1(0.1 mmt、典型値)××起こったと予想される。図8(b)は、レーザー出力を2 Wに統一した際のスキャン速度依存である。速度1 mm/sのとき、アブレーションによるフィルムの切断が約150 μmの溝幅でできているが、2 mm/s以上では切断できなかった。また、2, 5 mm/sの条件のとき、膨張部の中心が蒸発して溝が形成されるが、速度を10 mm/sまで増加させると、凸構造のみが残った。吸収係数がPETと比較して1/4程度のPEでは、アブレーションしきい値が高く、切断可能な条件が狭いが、出力と走査速度を制御することで凹構造と凸構造のいずれも形成できることが実証された。 ■・■■■■フィルムの加工特性■最後に、厚さ0.1 mmのPCフィルムの加工を試みた。出力2 W、走査速度10 mm/s時の加工痕の顕微鏡像を図9に示す。幅が<100 μmの凸構造が形成された。図10(a)の断面プロファイルの出力依存を見ると、高さ3~12 μm、幅30~90 μmの滑らかな凸構造であることがわかる。図10 (b)は、出力2 W時の走査速度依存である。速度を1 mm/sから20 mm/sに増加させると、膨張部の高さは20 μmから3 μmまで低くなり、幅は250 μmから60 μmまで細くなった。波長2.92 μmにおけるPCの吸収係数は7 cm-1未満と極めて低く、Er:YAPレーザーでのアブレーション加工は困難である。一方で、微小範囲の膨張が再現性良く得られるため、導波路の作製などの用途が期待できる。 4.まとめ 著者は、高出力かつ高ビーム品質な波長2.92 μmのEr:YAP固体レーザーを小型で安価な構成にて独自開発した。この中赤外レーザーを用いることで、その波長特異性から、従来光源と比較して優位性の高い透明材料加工が期待できる。しかし、これまで詳細な加工検証は為されてこなかったため、本研究では、Er:YAPレーザーを光源利用した加工システムを新たに構築した。当該波長における吸収係数が大きなPET樹脂、中程度のPE樹脂、吸収の少ないPC樹脂のフィルムを対象に加工検証をおこなった。各樹脂の加工特性を表1に纏めた。 料でも高スループット加工が期待され、レーザーメスや歯科・皮膚治療用光源としての利用が考えられる。 PC(a)レーザー出力依存、(b)走査速度依存 表1■樹脂フィルム加工特性のまとめ 1) H. Uehara et al., Opt. Lett. 44, 4777 (2019). 2) H. Uehara et al., Opt. Express 26, 3497 (2018). 3) W. Yao, H. Uehara et al., Opt. Express 28, 19000 (2020). 4) H. Uehara et al., Appl. Phys. Express 12, 022002 (2019). 5) W. Yao, H. Uehara et al., Opt. Express 29, 24606 (2021). 6) W. Yao, H. Uehara et al., Opt. Laser Technol. 152, PETでは、優れた吸収特性に基づき、高スループットな切断加工に成功しており、ディスプレイパネル製造過程への導入が大いに期待できる。アクリル樹脂(PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)などの加工需要の高い樹脂も吸収性が高く、同様の加工が可能と予想される。生体試本研究は、公益財団法人天田財団の奨励研究助成(若手研究者)(■■■ ■■■  ■■■ )を受け実施されたものであり、ここに謝意を表します。 出力走査速度高スループットな切断加工マイクロ流路形成樹脂材料切断加工局所溶融導波路形成脂)など吸収係数@2.92 μm切断加工条件凸型加工期待される用途吸収係数が近い樹脂(a) PC (10 mm/s)(b) PC (2 W)2W,10mm/s201510-5-103025201510-5-60-40-2020Position (μm)-150-100-5050Position (μm)謝■辞■参考文献 0.5 W 1 W 2 W4060 1 mm/s 5 mm/s 10 mm/s 20 mm/s100150PETPEPC108073 (2022). > 0.5 W> 20 mm/sPMMA、PVA、生体組織などPVC、POM、ポリイミドなど< 7 cm-12 W~1 mm/sPTFE(フッ素樹− 402 −

元のページ  ../index.html#404

このブックを見る