助成研究成果報告書Vol.35
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キーワード:中赤外レーザー,レーザー加工,樹脂フィルム 率過透 ポリエチレンテレフタレート ポリイミド ポリビニルアルコール率過透( )%)%00123( 図2■Er:YAPレーザー光源の外観 図1■各種樹脂材料の透過率スペクトル 波長 (μm)波長 (μm)1.研究背景と目的 Er:YAPレーザーEr:YAG近年、モバイルフォンや車載ディスプレイに対して軽量化や自由形状化といった新たな付加価値が求められており、従来のガラスベースではなく、機能性を付与した積層樹脂フィルムから成るディスプレイパネルが開発、上市され始めている。樹脂フィルムの切断等加工を高精度に行うには、レーザー加工が適しているが、そのためには、樹脂の吸収特性に適合した特殊波長のレーザー光源が要求される。図1に、ディスプレイパネル等に用いられる代表的な樹脂材料の透過率スペクトルと既存の加工用レーザーの波長を示した(透過率が低いほど材料の吸収率が高い)。 10080604020100806040202.72.82.9著者らは、最近、高効率・高出力な中赤外レーザーである「エルビウム添加イットリウム・アルミニウム・ペロブスカイト(Er:YAP)レーザー」を小型で安価な構成にて独自開発した■■。このEr:YAPレーザーは波長2.92 μmに自然科学研究機構■核融合科学研究所■ヘリカル研究部■( ■■■年度■奨励研究助成(若手研究者)■■■■ ■■■  ■■■ ) 炭酸ガスレーザー助教■上原■日和■おいて、高いビーム品質にて発振する。図1からもわかるように、特定の樹脂の吸収性は当該波長において特異的に高くなっている。そのため、Er:YAPレーザーを用いることで、積層樹脂フィルムの高品位・高スループットな加工が大いに期待できる。本研究では、加工優位性の高い連続発振Er:YAPレーザーを開発し、それを用いた高スループットな樹脂フィルムのレーザー加工を実証した。 2.レーザー加工装置の開発  ・■■中赤外レーザーの開発■希土類や遷移金属イオンの直接発振を利用した中赤外レーザーは、安定性が高く、高効率・高平均出力化が可能である。著者らは、これまでに、主にエルビウムを活性元素に用いた直接発振の波長3 μmファイバーレーザー■■や固体レーザー ■の開発を行ってきた。 11YAP結晶は、高い熱伝導度と酸化物の中では最低レベルのフォノンエネルギーを持ち、高出力かつ高効率なレーザー発振を見込むことができる材料である。波長2.7 μmで発振するEr:Y2O3と比較してレーザー下準位寿命が長く、定常で3準位系となり、発振波長が長波長にシフトする。また、発振波長2.94 μmのEr:YAGと比較して上準位寿命が長いため、連続波動作に適している。著者らは、Er:YAPレーザーを世界に先駆け実証し、Er系固体レーザーの室温連続発振動作では最高となる出力7 Wを達成している■■。また、スロープ効率は30%を超えており、ストークス効率33%に迫る極めて高効率な発振を高いビーム品質を保ちながら実現した。当該レーザーは、励起光源として波長976 nmの半導体レーザー(LD)を用いており、高出力でありながら、低コストで小型・堅牢な構成にて構Nd:YAG高調波Nd:YAG、ファイバーレーザーEr:Y2O3独自開発したEr:YAPレーザー49103.03.1− 399 −■■赤外吸収波長帯レーザを用いた■ガラスおよび樹脂材料加工に関する研究

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