が均一であることが確認でき,硬さ値についても大きな変化がないことが確認できる.これはプロセス中の入熱が安定しているためであると考えられる.しかし,送り速度が50 mm/min以下および800 mm/min以上ではプロセス中に温度が不安定となり,材料流動が不均質となる結果も確認された.また,Fig.10はツールショルダ径8mmのものをFSF実験に用いた時のファイバ周辺の硬さ値を示す写真であり,ツールショルダ径10 mmの時と比較すると大きな変化はみられなかった.ただし,ショルダ径が小さくなると熱機械的影響部(TMAZ)および熱影響部(HAZ)の領域が小さくなり,ショルダ下の組織の変化が少なくなることが確認された.Fig. 9Cross section of embedded fiber for ①startingregion, ②and ③middle region, ④finishing region(Toolshoulder diameter: 10 mm)Fig. 10cross section observation of embedded fiberwithin the middle zone (Toolshoulder diameter: 8 mm)3.2.2FSF後の引張強度の評価幅1.0 mm,深さ1.7 mmのスリット内部に光ファイバを設置してFSFを行う実験においては,材料の流動不足により,特に送り方向に対する直角方向の引張強度が低下する可能性が考えられる.そのため,ツールのプロセスパラメータを変化させたFSF後の送り方向に対して直角な引張試験片を作成し,引張試験を行った.引張試験片の作成にはASTM E 646-98を参考にした.その結果をFig.11に示す.すべてのパラメータにおいて母材の強度より低い強度(母材の67%から55%)が得られ,Fig.12から確認できるように,ガイドスリットの部分から破断されていた.これはマルチパスを行うことにより改善できると考えられるが,今後さらに調査する必要がある.また,Fig. 12(right)に示すように,FSFツールが入熱量の大きいパラメータにおいて破損し,プローブ部分が摩耗することがわかった.Fig.11Relation between tensile strength and FSF tool travel speed(Perpendicular to the direction of processing)Fig.12Tensile tested specimens (left) andtungsten tool after FSF (right)Fig.13に引張強さとツール回転数の関係(FSFプロセス方向に対し垂直の引張試験結果)を示す.グラフから確認できるように,回転数が上昇すると引張強さが上昇している傾向がみられた.これはFSF中の入熱と関係していると考えられる.回転数が低いと材料の流動が不十分でスリットの空洞が残ってしまい,それが引張強度の低下につながると考えられる.Fig.14に引張強さとツールの送り速度の関係(FSFプロセス方向に対し平行の引張試験結果)を示す.Fig.11のプロセス方向に垂直の引張試験結果と比較すると,引張強さが大きく上昇していることがわかる.送り速度の違いによる強度変化には,スリット内の材料の塑性流動および− 392 −
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