助成研究成果報告書Vol.35
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3.研究結果および考察3.1SEMによる組織観察を高くした場合の断面写真である.材料の流動によってスリットが完全に充満されていることが確認できる.しかし,入熱をさらに上昇させるためショルダ径を大きくした結果,光ファイバが破損したことが確認できた(Fig.6(right)).これは光ファイバが熱の影響を受け脆くなったためであると考えられる.Fig. 5Cross-section after FSF showing interlocked fiber within titanium(Shoulder diameter: 10 mm,rotation speed1750 rpm, travel speed: 25mm/min,plunge depth: 0.8 mm)Fig. 6Cross-section after FSF (left) Shoulder diameter of 10 mm, (right) Shoulder diameter of 15 mm. (rotation speed: 1750 rpm, travel speed: 25mm/min,plunge depth: 0.8 mm)FSFを行った後の断面マクロ写真をFig.7に示す.FSFによってチタンが軟化され,スリットに流動していることが確認できる.Fig.7(b)に示されているようにチタン合金の流れが不十分なため,空洞が発生していることが確認できるが,これは入熱が不十分であるためであると考えられる.Fig. 7SEM photos of mechanical interlocked optical fiber after showing (a) cross-section perpendicular to the direction of processing, (b) interlocked fiber within titanium,(c) map analysis showing that titanium has not filledthe slit.FSF また,今回チタン合金に破損なく埋め込むことができたと考えられた光ファイバにおいて,供試材に埋め込まれているファイバにレーザーを照射したところ,入射光と出射光を確認できたが,光ファイバ損失の詳細については今後調査する必要がある.Fig. 8にFSF後の断面組織観察を行った結果を示す.攪拌部において結晶粒が微細化していることがわかる.走査型電子顕微鏡により結晶を観察し,攪拌の影響を受けていない部分(Fig. 8(a))の平均結晶粒2 µmが攪拌部(Fig. 8(c))においては0.8 µmまで微細化している結果が確認できた.またスリットの中に流れ込んでいる材料の結晶状態をFig. 8(d)に示す.Fig. 8 (d)においては結晶粒が細かくなっていることから,Fig.8(b)に示した熱機械的影響部(TMAZ)の一部が溝に流れ込んでいる可能性が十分あると考えられる.Fig. 8SEM photo showing (a) un-affected zone, (b) Thermo-mechanically affected zone(TMAZ), (c) Stir zone and (d) plastically deformed and flowed material.3.2摩擦攪拌成形後の機械的性質の評価3.2.1光ファイバ周辺の材料流動および硬さ分布ここまで述べてきたように,本研究ではツールショルダ径を変更してFSFを行い,材料流動について調査した.FSF時のプロセスパラメータによって,温度が安定しなかったため,FSF後に4つの部分で供試材を切断し,金属顕微鏡による断面組織観察を行った.Fig.9の①から確認できるように,光ファイバは破損することなく存在しているが,空洞が見られ,材料が光ファイバの周りで完全に流動していないことがわかった.また,プロセスのスタート直後では入熱が安定していないため,入熱不足により材料の流れが不十分で,スリットが残されていた.さらに,硬さ試験を行った結果,光ファイバ近くの攪拌部の硬さ値が母材よりも大きく上昇していること,また光ファイバ近くの母材の硬さ値は元の母材の硬さと同等であることが確認できた.この結果により,攪拌部はスリット内で流動していると言うことができ,攪拌部以外はFSF時の熱の影響を受けていないことがわかる.Fig.9の②~④では材料の流れ− 391 −

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