2.研究方法2.1FSFの実施Fig. 2に示すようにガイドスリットをチタン合金板に設け,そこに光ファイバを配置し,チタン合金の表面にFSFを行う.スリット内で材料の塑性流動が起こり,チタン合金内部に光ファイバが機械的に接合される.これによって得られるチタンに埋め込まれたファイバセンサは,非常に高温かつ過酷な環境で確実に動作できることが期待できる.Fig. 2 Schematic of the experimental procedure for embedding optical fiber inside titanium alloy.(Slit width: 0.5~1 mm, slit depth: 1.7 mm)本実験ではThorlabsのコア径200~600μmの光ファイバ(UM22-200~600)を使用し,供試材には厚さ2mmから3 mmのSP-700チタン合金およびTi-6Al-4Vチタン合金を用いた.FSFツールは,Fig. 3の外形寸法図に示したφdをショルダ径として,φ8 mm,φ10 mm,φ12 mm,φ15 mmの4種類のツールを使用した.Fig. 3Dimension of the FSF tool.2.2FSFによるインターロックの形成チタン合金のような高強度合金の摩擦攪拌プロセスを行う際に課題となるのはFSFツールの寿命である.本実験では3種類の材質(タングステンカーバイドの超硬ツール,TZMツール,純タンスステンツール)を用い,それぞれの耐摩耗性を観察しながら最も本実験に適した純タンスステンツールを選択してFSF実験を行った.Table1に実験のプロセスパラメータを示し,Fig. 4に実際に行ったFSF後の供試材を示す.プローブ中心をスリットの真上に設置しFSFを行うと,光ファイバが入熱の影響で脆くなり,折れてしまうケースがほとんどであった.これまでの研究結果より,摩擦攪拌時には材料が前進側(advancing side)と比べ,後退側(retreating side)の方に流動することが明らかになっているため,本実験ではプローブ中心をスリットの中心から2 mmずらし,前進側にオフセットしながらFSFを行った.Fig. 4Appearance of friction stir formed SP-700titanium alloy showing surface and back side condition for travel speeds of (a) 50mm/min (b) 100 mm/min (c) 200 mm/min (d) 400 mm/min (e) 800 mm/min (rotation speed is set to 1240 rpm)回転数を固定し,ツールの送り速度を変化させたFSF後の表面(Fig. 4写真左)を比較すると,色が変化していることがわかる.これは送り速度によって入熱が変化するためであると考えられる.また裏面の写真(右)からわかるように,送り速度が速くなると入熱が低下し,特に速度200および400mm/minでは,摩擦熱が供試材の裏まで伝わっていないことが確認できる.しかし,断面組織観察の結果によると,送り速度の早いパラメータにおいても材料がスリット内に十分充満していることが確認できた.FSF中の材料流動には入熱の他,圧力も関係していると考えられ,送り速度が早いと圧力が上昇し,材料流動が影響を受けると思われる.また,送り速度が低い50 mm/minあるいは早い800mm/minの時にバリが発生しやすく,表面が粗くなっていることが確認できる.Fig. 5に送り速度が低い条件の断面組織観察の結果を示す.送り速度が低下し入熱が上昇するため,軟化する材料体積が増え,空洞の部分が減少していることが確認できる.Fig. 6(left)は,入熱を上昇させるために,回転数Table 1 Process parameters of FSFRotationspeed [rpm]440~1750Travel speed [mm/min]25~800 Tilt angle [°]3 Plunge depth [mm]0.8~1.4 − 390 −
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